パナソニック・ライフソリューションズ社とJR東日本は、電力線通信(PLC)で調光・調色が可能な駅ホーム用照明制御システムを開発した。14日に開業する新駅「高輪ゲートウェイ駅」に合計594台の照明器具を納入した。駅のホームに本格採用されるのは「国内初」としている。
信号線不要の通信方式として無線方式もあるものの、 駅構内では無線LANや列車無線など、 さまざまな無線が利用されており、 混信による通信性能の低下が懸念される。
PLCは、電気機器にエネルギーを供給する電力線に高周波の通信用信号を乗せて伝送することで電力線を通信線としても利用する技術。従来は照明制御盤から各照明器具に信号線を敷設する必要があったものの、PLC照明制御システムでは信号線が不要になる。
PLCは、使用する通信周波数帯域によって低速PLCと高速PLCに分けられ、今回は、屋外使用の法整備が進んでいる低速PLCのうち、電源環境ノイズの影響を受けにくいG3-PLC方式を採用した。
実際の駅では、多様な電気機器が使われるほか、構内の無線や列車発停車に伴う電磁波などの影響が想定されたため、PLC通信部を内蔵した照明器具の試作機を製作し、2017年7月から同12月まで千葉駅ホームに設置してフィールド試験も実施、実環境で運用可能な通信品質であることを確認した。
高輪ゲートウェイ駅では、日中は自然光との調和を図るため昼白色から白色の光で照明し、夕方はコンコースとあわせて電球色の温かみのある照明にする。
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