【住軽日軽エンジニアリング】4月より社名変更 「創って造って売る」実践する今後の展望とは | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【住軽日軽エンジニアリング】4月より社名変更 「創って造って売る」実践する今後の展望とは

 住軽日軽エンジニアリングは4月1日に日軽エンジニアリングに社名変更し、日本軽金属のグループ企業として新たな展開を図る。青山茂樹社長は「時代の変化にスピード感を持って対応するため、グループ企業の経営資源を最大限に活用し、シナジー効果を発揮したい」と意気込む。安全・安心・美しさの3つをコンセプトにした建設用アルミ製品を手掛ける同社の今後の展望を聞いた。

住軽日軽エンジニアリング代表取締役社長 青山茂樹氏


 同社は、2000年8月に日本軽金属と住友軽金属工業(現UACJ)の公共資材・景観製品の事業部門が株式比率50%ずつの持分法適用会社として発足し、設計、施工、販売を手掛けるアルミ建材メーカーとして独自の地位を築いてきた。18年10月に日本軽金属が株式を81%取得し、連結子会社としてリスタートしている。ことし、設立20周年に合わせて社名変更する。

新たなロゴマーク。若手社員が主体となって作成した


◆日軽金のDNA浸透“ブランド経営”実践
 青山社長は14年に日軽金から日軽金アクトに異動し、18年10月に住軽日軽エンジニアリングの社長に就任した。これまで、マトリックス組織を基盤に、ビジネスに合わせたチーム編成で商品開発や事業創造などに取り組む日本軽金属のDNAを植え付ける作業に取り組んできた。「縦割りの組織を変えることで、設計、施工、販売などの専門家がビジネスユニットを形成し、都市景観、構造物、道路橋梁などの分野別にプロジェクトを回す“ブランド経営”を実践してきた」と説明する。
 日軽金の連結子会社となることで、グループの資産や資源を共有し、活用する体制が整った。「日軽金グループは素材から設計、施工までアルミのことならなんでもできる。研究所も含めてグループの資源を使い切り、一気通貫のものづくりをできるのが他社にない強みだ」と強調する。
 本社を始め、グループ各社にある自身の太い人脈をフル活用し、自社の社員とコラボレーションさせることで、経営コンセプトの「創って造って売る」を実践する。特に成長著しい海外の企業のスピード感に対抗するため、グループ企業とのシナジー効果を最大限に発揮し、競争力を高める考えだ。

◆若手社員が自発的に 動き始める組織づくり
 また、組織力を高めるため、これから30年、40年先まで働く若手が活躍できるような環境づくりに力を入れている。
 全社ミーティングや合宿など若手のアイデアを生かすイベントを積極的に企画し、“フラットな組織”に向けた風土づくりに挑戦している。「新しい社名やロゴデザイン、経営理念は若手のチームが作成したものだ。若手が主体のプロジェクトが増え始め、社員の自主性に火をつけることができた」と手応えをつかんでいる。
 弊害となる“組織の壁”は、社長自ら壊している。例えば「設計や施工に詳しい社員はいるが、ファブレスの当社では『素材』に詳しいのは工場出身であるわたし1人。一メンバーとしてプロジェクトに参加する」など、フラットな組織づくりを実践する。

◆次世代に仕事の魅力を引き継ぐ
 アルミ製品を展開する上で、従来の安全・安心に加え、「美しさ」の観点も重視している。高欄や駅前広場のシェルターなどにアルミ素材が増え、「これからの社員には美しさと科学の両方に触れる機会が大切になる」と考える。海外出張があれば建築の展示会やアートに触れるよう支援する。日本では作れないスケールの仕事も海外にはあり、仕事の幅を広げる上で社員自身が知見を広げることが大切になるからだ。
 そして、次代を担う若手には「夢を抱く大切さ」を説く。自身は技術者として新潟工場からキャリアが始まり、中国、英国、タイなど海外も含めて多くの仕事をすることができた。「特に中国工場では技術開発、工場長、社長などを通じて貴重な経験ができた。思い描いた会社人生を歩むことができた」と振り返る。会社の中で本支店、海外、工場長など自らが歩んだ経験や仕事のおもしろさを次世代に引き継ぎ、社業のさらなる発展に貢献する考えだ。

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