阪神高速道路会社は17日、大和川線(堺市~大阪府松原市)が29日に全線開通するのに先立ち、報道陣に現場を公開した。損傷制御型鋼製セグメントや関西では初めて導入されるすべり台を使った避難経路などの防災対策を充実させている。
9.7㎞のうち、2.9㎞が開削トンネル、3.9㎞がシールドトンネルと大部分がトンネル構造となることから災害時の避難経路やトンネル自体の強靱化にも力を入れている。
一般的にシールドトンネルは、トンネル軸方向に加わる力に対して弱く、上町断層を横断する大和川線では、大地震が起こった時のトンネルの崩壊を防ぐ必要がある。このため、トンネル内の3断面に設けた損傷制御型鋼製セグメントが軸方向に加わった力を受けて、あえて潰れることで、トンネル全体の崩壊を防ぐ。
トンネル内で災害が発生した場合の避難経路として、開削トンネル部では道路脇の非常口から脱出できる。シールドトンネル部では関西で初導入となるすべり台を使った避難経路を設けた。道路脇に設置されたすべり台で道路の下部に移動し、非常口へ避難する。
常磐出入り口の施工時には周辺環境への配慮から矩形シールドトンネルを導入した。幅8m・高さ8mの四角型のシールドトンネルで、通常ランプのトンネルでは開削トンネルによる施工となるが、ランプ部の周辺が住宅街のため、土留すると住民の通路がなくなってしまうため、オフランプ部は矩形シールドトンネルで施工した。
このほか、換気所や消火設備の仕組みについて説明があった。
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