【建設ICT 新時代へ】西尾レントオール ICT関連レンタル毎年2割増で成長 一貫体制でトータル支援 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【建設ICT 新時代へ】西尾レントオール ICT関連レンタル毎年2割増で成長 一貫体制でトータル支援

 全国的にICT活用工事が拡大する中で、建設現場に重機や機器類を提供するレンタル会社の動きが活発になっている。西尾レントオールはICT関連のレンタル売上高で2019年9月期に約57億円を確保した。北山孝取締役通信測機事業部長は「2割増のペースで成長を続けている。受・発注者ともにICT活用のニーズが広がっている」と分析する。

北山取締役通信測機事業部長

 これまで大手建設会社がけん引してきた建設現場のICT活用だが、中小の建設会社にも広がりを見せている。国土交通省の動きに後押しされ、都道府県・政令市レベルでも導入拡大が進んでいる。関西地区でも和歌山県、奈良県、兵庫県などがICT活用工事の導入に踏み切っており、「直近の当社の売上げを見ても関西地区は好調に推移している」と明かす。
 今後の見通しについても「2割増の成長カーブは続く。さらなる規模拡大を目標に体制を整えていく」方針だ。既にICT重機の体験ができるテクノヤードを全国8カ所に整備。加えて全国の各拠点には建設会社からの要求に迅速な対応が図れるように、300人を超えるICT専任者も配置している。

300人を超えるICT専任者も配置

 北山氏が「3次元計測から設計データ連携、ICT建機、出来形管理まで現場をトータルにサポートできる一貫体制が強み」と強調するように、同社は国交省がi-Constructionを提唱する前から、建設現場の生産性向上を軸にICTの活用を商品戦略として位置付けてきた。
 バックホウやブルドーザーの3次元マシンコントロールシステムに始まり、3次元計測機器、さらには出来形など工事管理システムまで多岐にわたる。古くは関西国際空港2期の関連工事GPS受信機をレンタルするなど、2000年以前からICT関連の商品を積極的に扱ってきた。
 現場のニーズを踏まえた自社製品『NISHIOオリジナル』の拡充にも力を入れている。初弾のTS・GNSS自動追尾転圧締固め管理システムは01年にNETIS(新技術情報サービス)登録した。「位置情報と設計データの演算がICT活用の基本となることから、社独自で機器類を組み合わせ、改良しながら最適なシステムとして確立している」と説明する。
 同社は、生産性向上だけでなく、安全や環境配慮の視点からも商品ラインアップの拡充を推し進めている。これまで災害復旧時に採用されていた無人化施工だが、近年は危険施工場所への導入ニーズが高まっているように、ICT活用のキーワードにも「安全」が重点テーマになっている。同社は以前からカメラ、画像転送、無線などの商品拡充を進めており、無人化施工への対応を強化してきた。
 最先端の建設現場では自動化の流れだけでなく、AI(人工知能)を使った自律施工への研究も進みつつある。北山氏は「自律施工は無人化施工技術がベースになる。建設現場の人手不足が深刻化する中で、無人化施工のニーズはこれからもっと広がるだろう」と先を見据える。

 
 
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