【戸田建設とカテックス】発色型ロックボルトワッシャーを開発 トンネル壁面変位を目視で確認 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【戸田建設とカテックス】発色型ロックボルトワッシャーを開発 トンネル壁面変位を目視で確認

 戸田建設とカテックス(名古屋市、加藤巳千彦社長)は、山岳トンネルのNATM工法などで使われるロックボルトに発生する軸力を、特殊なワッシャーにより把握できる発色型ロックボルトワッシャー「Eye Washer」を開発した。透明な汎用プラスチック製の角型ワッシャーの背面に圧力測定フィルムを張り付けたもので、従来の鋼製角型ワッシャーの上に設置して使用する。

Eye Washerを設置したロックボルト頭部(定着部)

 トンネル壁面が変位した際、ワッシャーに作用する力に応じて白色の圧力フィルムが赤色に変化する。赤色の直径により、ロックボルト頭部に作用している軸力を目視で確認できる。従来のロックボルト軸力計に比べて安価で簡易に設置できるため、広範囲のロックボルトに設置することにより、経済的・効率的に施工中のトンネルの面的な変形状況を目視確認できる。
 現在施工している「福島県博士トンネル工事(昭和村側工区)」(発注者=福島県)で適用実験を行い、施工性と効果を確認した。
 Eye Washerは、透明な汎用プラスチック製の角型ワッシャーの背面に「圧力測定フィルム」を張り付けた。圧力測定フィルムは、2枚の極薄フィルムを重ね合わせたもので、圧力が作用すると一方のカプセルが潰れることにより発色剤と顕色剤が接触し赤く発色する。一般的に市販されている汎用製品だ。
 従来のロックボルト頭部(鋼製角型ワッシャー・六角ナット)に追加設置するだけのため、トンネル施工のサイクルタイムに影響を与えない。白色面が赤色に変化することで、ロックボルト頭部の軸力の増加(壁面変位の増加)を目視で確認でき、赤色変化した部分の直径により、軸力の程度を把握できる。また、一般的に土砂地山で使用するロックボルトの設計耐力である178キロニュートンまでワッシャーとしての機能を維持できるといった特長がある。
 今後、戸田建設が施工する低強度地山のトンネルで積極的に採用していくとともに、複数の現場に適用して改良を加えた後に製品化し、NETIS(新技術情報提供システム)登録する予定だ。ロックボルトとのセットでカテックスからことし秋以降に販売する予定だ。
 
 
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