【国内初ISO55001認証取得】CO2Oが太陽光発電のアセットマネジメント強化 その狙いとは | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【国内初ISO55001認証取得】CO2Oが太陽光発電のアセットマネジメント強化 その狙いとは

 世界最大手の太陽光モジュールメーカーのアフターサポートを手がけ、太陽光業界のプロフェッショナル集団として日本で数多くの発電所の評価・診断を行ってきたCO2O(東京都港区、酒井正行代表取締役)は、1月にアセットマネジメント(AM)の国際規格であるISO55001(JIS Q 55001)の認証をマネジメントシステム評価センター(MSA)から取得した。太陽光発電所維持管理業務サービス・プロバイダーとして、国内で初の取得となった。認証取得を契機に「さらなるコスト、リスク、パフォーマンスというトリレンマ(相反する)課題解決に向け、積極的な事業展開を図っていきたい」と意気込む酒井社長に現況、今後の課題と展望などを聞いた。

CO2O代表取締役 酒井 正行氏


–太陽光発電が急速に拡大し、それに伴い業務も拡大傾向にあるが

 「日本国内では、全量買取制度により、急速に太陽光発電所の建造が進んだ。まさに、バブル的な現象だった。発電所乱立により、不具合のある太陽光発電所を各地に生み出す要因となった。こうした現状に対し、具体的な対策を取ることのできるプレイヤーが不足しており、このまま行くと、近い将来、不具合が多発することも予測される」
 「当社は、世界最大手太陽光モジュールメーカーとのパートナーシップのもと、2012年からメーカーアフターサポート実務を展開してきた。そこで、培ってきた専門的知見を駆使して行う評価診断実績などは国内最多の水準にある。17年4月に改正FIT法の施行により、太陽光発電設備のメンテナンスが義務化されたこともあり、問い合わせも多く、20年1月現在の評価診断実績累計は3ギガワットに達した」

評価診断実績。累計は3ギガワットを超えている(全国図)2019年10月時点


–評価診断業務などのポイントは

 「まずはリスクの本質を見極めることが重要となる。リスクの本質を見誤れば、対策を打ったとしても対症療法に過ぎなくなってしまう。O&M(オペレーション アンド メンテナンス)は、リスクをコントロールするもの。発電所に不具合や制御困難なリスクがあるか、ないかについては、O&Mで制御できない問題であり、製品・設計・施工に起因する問題である。こうしたリスクの質の違いを調査、診断などにより見極めることがきわめて重要なポイントとなる」
 「こうしたリスクマネジメント、リスクレベルとコストの十分な検討を踏まえて、精緻な資産活用を提案することがポイントとなる。リスクレベルから見て許容できないリスクを放置してはいけないが、過剰にコストをかけることも適切ではない。リスクとコストの最適化を図る必要がある」

–貴社のリスクベースメンテナンスの特徴は

 「まずは、発電所の現況把握、リスクの本質的な把握をする。どこにリスクがあるかを、過去の保全履歴をベースに最新技術を駆使して把握し、それぞれの発電所にあったきめ細かな対応を盛り込んだ保全計画、運用計画を策定し提案することによってアセット品質の向上とコストの最適化を両立させる」
 「案件開発、調査・試算、申請・電力契約・認定取得、設計、部材調達、建設、運用、転売など、どの段階からでも対応できるのが、大きな特徴だ。ユーザーに代わる事業主の立場、第3者として行うコンストラクションマネジメント(CM)により、コストダウンや品質改善を実現するサービスや、法定業務、竣工検査や精密診断といった性能評価業務、定期診断や運転状況監視、異常対応から盤面清掃などといった発電所維持管理業務、アセットマネジメント・サポート業務、デューデリジェンス、コンサルティング、メーカーサポート業務など、多岐にわたるメニューで、ニーズに応じたサービスを提供していく考えだ」
 「ISO55001(JIS Q 55001)の認証をMSAから取得したのを契機に、これまで以上に、アセットマネジメントシステムを生かして、地域建設業などの方々とともに、地域電源として太陽光発電の健全な発展に寄与していきたい」

MSAの藤井社長(左)から認定書を受ける酒井社長

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