【記者座談会】日建連意見交換会がスタート/緊急事態宣言延長 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【記者座談会】日建連意見交換会がスタート/緊急事態宣言延長

A 日本建設業連合会と国土交通省各地方整備局などとの意見交換会が14日の関東からスタート。新型コロナウイルス感染症の影響で、テレビ会議システムを導入した。初めての遠隔会議に注目が集まっているね。
B くしくも非常事態によってこれまでとは異なる会議方式を採用したが、建設業でも業務効率化に役立つ情報共有ツールの利用が加速していく中で、その実効性について理解を深める契機になるのではないか。
C 円滑な議事進行、受発注者間の意思疎通が可能かどうかは、9地区の開催を通して判断することになると思うが、混線による通信障害を防ぐ観点から一部の発注機関は動画共有サイトの視聴のみで発言できないため、そうした課題に対する配慮が今後求められそうだ。
A 喫緊の課題である担い手の確保・育成に向け、メインテーマには働き方改革と生産性向上を設定している。
B 具体的には週休2日の実現やプレキャストの採用促進、概略工程表の開示、入札・契約時の負担軽減などについて議論する。特に建設キャリアアップシステムは、国土交通省が官民施策パッケージを打ち出し、官民を問わずすべての工事で2023年度のシステム原則活用を目指しているので、施策推進の意義を共有する。
C 「ブレイクスルーするための新たな展開」と題し、社会資本整備や建設産業の中長期的な方向性を話し合う。例えば、全体最適設計の徹底やビッグデータの活用による施工の高度化、大胆かつ機動的な公共投資の必要性など、日本が成長していく上で業界が果たす役割を自由討議することになるよ。

社員、作業員の安全・雇用の確保と、施工現場・経済活動の維持という相反する対応が元請けに委ねられている

◆工事再開、中断継続 対応分かれる

A ところで話は変わるが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う政府の緊急事態宣言の期限が31日まで延長されたけれど、ゼネコンの対応はどうだろう。
D 工事を再開する企業は多いが中断を継続する企業もあり、対応が分かれている状況だ。
E 大手ゼネコンでは、鹿島と清水建設が工事の再開を決めた。清水建設は、新型コロナウイルス感染の影響が長期化することを念頭に置きながら「これまでどおり社員・作業員の生命・安全を最優先事項として感染拡大防止対策を一層強化・徹底するとともに、建設業における雇用の確保など経済活動の維持のために工事を進めることも重要であると判断した」と再開の理由を挙げた。
F 準大手ゼネコンでは、戸田建設も新型コロナウイルスとの闘いの長期化を見込み、「作業所閉所による発注者・協力会社など関係者への影響に鑑み、感染防止策をさらに徹底した上で、可能な限り速やかに工事の再開を図る方針とした」と、事業継続の必要性を判断した。
E 一方で大林組は「改めて個々の工事の状況を検証の上発注者と協議し、合意を得たものについては施工中断を継続するなどの対応をとることとした」とし、フジタもできる限り閉所とする方針を変更せず、発注者と協議の上「工事の再開が早急に必要と判断された作業所については、万全の感染予防対策を講じた上で工事を実施する」としている。
D 工事の継続・中断について政府の統一見解が示されていない中で、社員、作業員の安全・雇用の確保と、施工現場・経済活動の維持という相反する問題への対応が元請けに委ねられ、各社とも難しい舵(かじ)取りを迫られているといえそうだ。

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