【昭和基地で電気・空調設備設営】関電工社員が第62次南極観測隊に参加 意気込みを語る | 建設通信新聞Digital

5月1日 水曜日

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【昭和基地で電気・空調設備設営】関電工社員が第62次南極観測隊に参加 意気込みを語る

 関電工は、情報・システム研究機構国立極地研究所からの要請を受け、社員2人を「第62次南極地域観測隊」に派遣する。同社は1986年の第28次観測隊から、越冬隊25回と夏隊13回の計38回にわたり社員を派遣している。今回は上原誠氏が越冬隊(11月~2022年3月)、正治徹一氏が夏隊(11月~21年3月)としてそれぞれ参加する。

第62次南極地域観測隊に参加する上原(左)、正治の両氏


 両氏は、観測隊派遣に向け、7月から同研究所に出向し、機械担当の設営隊員として越冬訓練や設営計画検討などの準備を進めてきた。

 新型コロナウイルス感染症の影響で、観測隊員は今後、出発前2週間の検疫期間を経て、資機材を搬入した南極観測船「しらせ」に乗船する。11月中に海上自衛隊横須賀総監部からの出発を予定し、寄港をせず直接、南極を目指す見込み。例年、観測隊は70人程度。今回は夏季の観測計画を絞り込み、昭和基地の維持を中心としたミッションとなることから、観測隊は43人とし「しらせ」内は1人1部屋での乗船となる見通し。

 南極では、昭和基地内の電気・空調設備の設営や保守管理、今後の発電棟更新整備に向けた現地調査を始めとする事前準備などに当たる。

 上原氏は今回が4回目の越冬隊派遣。同社社員で過去に3回の越冬隊派遣を経験した先輩社員を抜き、最多の派遣回数となる。観測隊の参加について、上原氏は「4回目の参加となるが、同じ仕事でも人と人の接し方や工事の方法などの進め方が集まった隊員によって変わる。その中で何が最善かをまとめる立場となるので、コミュニケーションを大切にして、より安全で効率的な方法によってよい形で仕事を成功させたい」と語った。

 夏隊に初めて参加する正治氏は「社内の研修で南極の話を聞き、興味を持った。日本での当たり前が南極では作業も生活も当たり前ではなくなる。電気工事の経験がない隊員に仕事を手伝ってもらうことになるため、上手に説明して、短い期間に決められたミッションを速やかに終えられるように取り組みたい」と意気込みを語った。

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