【自治体業務を効率化】パスコ「人工衛星を活用した森林変化情報サービス」を提供開始 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【自治体業務を効率化】パスコ「人工衛星を活用した森林変化情報サービス」を提供開始

 パスコは、衛星画像から森林の変化を自動抽出し的確に把握する「人工衛星を活用した森林変化情報サービス」を自治体向けに6月から提供開始する。自治体職員が書類照合や現地確認にかける時間と労力を削減し、森林の健全な育成と産業振興を進めるために自治体が取り組む森林管理業務の効率化に寄与する。

2時期の画像をAIで解析した変化個所 (薄茶で示した領域)


 サービスは、インターネット環境とウェブブラウザがあれば利用できる自治体向けのクラウドサービスで、▽年2回以上のAI(人工知能)による森林変化情報の自動抽出とメール通知▽衛星画像を背景にした地図上での届出状況の一元管理▽現地に立ち入らなくても状況の把握が可能となる、衛星画像閲覧–の3つのサービスを予定している。1年単位の契約で、料金は1自治体39万円(税別)からとなる。

 変化の抽出は、二時期の衛星画像から皆伐跡地・再造林地・崩壊地など一定規模の変化領域をAI判読技術により自動抽出する。仏の光学衛星「SPOT6/7」(1.5m分解能)でサービスを開始し、2020年度に打ち上げ予定の先進光学衛星「ALOS-3」(80cm分解能)も活用していく予定だ。

 17年度に施行された改正森林法では、森林所有者らに対し、伐採後の造林の状況報告を自治体に届け出ることが義務付けられ、自治体は伐採の計画と実施後の書類照合や現地確認を行い適切な指導を行うこととなっている。

 今回提供するサービスでは現地調査の時間と労力を削減しながら、皆伐や再造林後の状況確認を効率的にモニタリングできる。無許可・無届けの伐採行為を検出し、行政指導することも可能だ。効果的な森林侵攻支援策の検討や1年間の伐採地、再造林地の集計にも使えるほか、日常点検が困難な山間部奥地などの斜面崩壊や広範囲にわたる風倒木被害を検出し、復旧作業方針を検討することもできる。
 ただし、災害時の緊急的な変化情報抽出はサービスには含まれない。

 同社は、将来的に森林クラウドとの連携機能開発も予定。これにより、伐採造林届出などの電子化やオンライン申請に対応できるほか、伐採・造林届出の申請から現地確認までの事務処理がシステム化されて効率化すること、森林変化情報と伐採造林届、各種計画情報との突合や衛星画像を利用した森林資源情報の管理更新が容易になるなどの効果が期待できるとしている。

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