北海道白老町とアイヌ民族文化財団は9日、白老町に建設されたアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の町民内覧会を開いた。新型コロナウイルス感染防止のため開業が延期となっているが、緊急事態宣言の解除を受けて、地元民に一足早くお披露目した。
当日は、戸田安彦白老町長や加藤忠アイヌ文化財団理事長代行・副理事長をはじめ町民ら約140人が参加し、野外ステージで伝統舞踊の鑑賞や国立アイヌ民族博物館の展示物を見学した。
メイン施設となる国立アイヌ民族博物館はS一部SRC造3階建て延べ8600㎡。1階はミュージアムショップ、研究交流室・会議室、シアターで、2階は約700点のアイヌ民族工芸品などを展示する基本展示室、特別展示室、展示室ロビーとなる。
内覧会の後、戸田白老町長は「コロナ感染症の影響でオープンは決定していないが、十分な対策で対応している。今後、ウポポイを通じて、日本の先住民族としてアイヌの方々を世界に発信できるものと実感した」と述べ、加藤理事長代行は「少しずつ開業に向けて進むことを願っている。これからは北海道のアイヌ文化の拠点の1つとしてその特徴を広めていきたい」と話した。内覧会は14日まで行われる。