【海底地質リスク評価技術の確立目指す】基礎地盤コンサル 山口大学と共同研究契約を締結 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【海底地質リスク評価技術の確立目指す】基礎地盤コンサル 山口大学と共同研究契約を締結

 基礎地盤コンサルタンツは、山口大学と海底地質リスク評価に関する共同研究契約を締結した。日本の沿岸域における海底地質リスクの抽出・評価技術を確立するとともに、洋上風力発電の事業者にリスク評価サービスを提供することを目的に、この分野の第一人者である同大学大学院創成科学研究科の川村喜一郎准教授と共同研究に取り組む。2020年度中の海底地質リスクの抽出・評価マニュアル完成を目指す。

海底ジオハザードのイメージ

 洋上風力発電が発展してきた欧州では近年、海底地盤に潜むジオハザードの評価が盛んに実施されている。洋上風力発電の立地や建設、維持管理に大きく影響を与えるジオハザードとして、代表的なものが海底砂丘の移動による地形変動だ。海底地形が変動すると、風車基礎のモノパイルの土被り長の変化によって固有振動数が変わり、ブレードの回転振動との共振を防ぐ設計が破たんするなどの問題が生じる。
 このほかにも混濁流、海底地すべり、浅層ガスなどさまざまなジオハザードがあり、これらの地質リスクによって風車レイアウトを回避せざるを得ないケースもある。このため、事業の初期段階でジオハザードを抽出し、海底地盤の地質リスクを評価することが必要となる。
 基礎地盤コンサルタンツは、洋上風力発電にかかわる海底地盤調査のトップランナーとして、今後さらに日本沿岸域で洋上風力発電を発展させるために、海底地盤のジオハザードと地質リスクの評価技術を早期に確立させる考えだ。

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