【地震時の崩落リスク低減】大和ハウスの耐震吊り天井「Dタフ天井」 商業・オフィスに提案 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【地震時の崩落リスク低減】大和ハウスの耐震吊り天井「Dタフ天井」 商業・オフィスに提案

 大和ハウス工業は、地震時の崩落リスクを低減できる耐震吊り天井「Dタフ天井」を開発した。特定天井と地震対策、落下低減の3タイプをそろえた。南海トラフ地震などの巨大地震発生時の事業継続や早期復旧に配慮した安心・安全な商業施設、事務所向けに提案する。

 東日本大震災や熊本地震などの巨大地震では、多くの建物で柱や梁などの構造躯体だけでなく、天井などの非構造部材でも大きな被害があった。商業施設や事務所などの建物に多く採用される吊り天井では、クリップの離脱や部材変形などが崩落の原因となるケースがみられた。

 Dタフ天井の特定天井タイプと地震対策タイプは、独自開発の専用補強金物と専用補強クリップを採用した。専用補強金物で天井仕上げ材と天井下地材・ブレースとの接合を強化して天井の揺れを抑制しつつ、専用補強クリップで野縁が野縁受けから離脱するリスクを低減する。耐震性能は、同社が採用してきた地震対策天井と比べ、鉛直方向に約2.9倍、水平方向に1.2-2・6倍向上する。部材数を減らしたことで、コストも従来比最大25%低減できる。

 国土交通省が定める特定天井では、天井と壁などの間に6cmの隙間を設けることとされている。特定天井タイプは、この隙間を最小2cmに設定可能で、意匠性が高まる。地震対策タイプは、顧客の要望に応じ、隙間の間隔を設定できる。特定天井タイプは、日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した。

 落下低減タイプは、ブレースを設置しない従来工法の天井に専用補強クリップを付加して野縁と野縁受けの接合を強化し、地震時の落下リスクを低減できる。従来工法の天井と比べ、鉛直方向の耐震性能は2.3倍向上する。

 3タイプすべての「Dタフ天井」について、震度7レベルを想定した加振実験で崩壊しないことを確認した。

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