【快適空間をつくる】大建工業らが製品化を目指す「音響パッケージブース」とは? | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

公式ブログ

【快適空間をつくる】大建工業らが製品化を目指す「音響パッケージブース」とは?

 大建工業と、日本音響エンジニアリング、武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所は、快適音空間の一般化や新規需要の創出などを目指して実験・研究の契約を結び、共同研究を始めた。快適な音環境空間を実現する「音響パッケージブース」の製品化を目指す。

音響パッケージブースのイメージ

 外部からの雑音や残響音など、話し声が聞き取りにくい環境は、心的疲労に影響しやすいとされており、快適な生活空間をつくるためには音環境を整えることが重要な要素になる。音の不具合は目に見えにくく潜在化しやすい特徴があるものの、新型コロナウイルス禍によって在宅勤務やオンラインを日常的に利用するスタイルが普及しつつある中で、音環境に関心を持つ人が増えている。
 大建工業は建築音響製品の研究開発・製造・販売を従来から手掛け、 日本音響エンジニアリングも音響測定や評価、設計技術を強みとしている。武蔵野美術大ソーシャルクリエイティブ研究所は、 市場マーケティングなど優れたデザイン空間の社会実装に向けた研究活動を進めてきた。
 3者は「公共施設や住宅など、身近な空間における豊かな音環境構築とデザイン」をテーマに、3年間をめどに培ってきたそれぞれの知見やリソースを相互利用し、コロナ禍だからこそ求められる豊かな音環境を生み出すための効率的な研究開発・共同実験を進める。同時に豊かな音環境や新しいサウンドデザインへの理解・浸透に向けた啓もう活動にも取り組む。
 まずはリモート配信者と視聴者双方にとっての心地よさや臨場感、伝達力などの視点から、現状の音環境の実態を計測・評価して可視化した上で、「音響パッケージブース」の製品化を目指す。将来的には、さまざまなイベントや会議、セミナーなどを開ける比較的大型のパッケージ空間や個人利用を目的としたモバイルスタジオなどへの展開も検討する。大建工業では、研究で得た成果を木質化空間パッケージ「ウッドキューブ」のバリエーション展開に活用することを想定している。

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら