今後さらなるグローバル展開を図る日本工営グループの新たなシンボルとなり、アフターコロナ社会での「新しい働き方」の拠点ともなる日本工営の新本社がいよいよ始動、28日から業務を開始した。部門・グループ間の連携強化へ、分散していたオフィス機能を東京都千代田区麹町に集約した『日本工営ビル』は、活発なコミュニケーションで新たなアイデアを共有し、自発的で生産性の高いオフィス空間を実現。2021年7月から始まる新たな長期経営戦略「NKGグローバル戦略2030」を強力に後押しする。
旧本社ビルを現地建替えした日本工営ビルは、江戸時代からのお屋敷町である麹町の歴史や文化を含め、さまざまなヒト・モノが『出会う・繋がる・愉しむ』場であることをコンセプトに据えた。
15年4月の新本社プロジェクト推進室発足時から5年にわたって取り組んできた中山岳史業務推進センター次長は「せっかく会社に来るのなら、必ず人と出会い、コミュニケーションしてコラボレーションが生まれるように、心地よくてここに来たくなる空間を心掛けた」という。
それを表徴するのが最上階の12階に設置したコラボレーションエリアであり、これまでの働き方にとらわれないさまざまな選択肢を提供し、社員の交流を促す仕掛けが随所にちりばめられている。社員の健康に配慮した食事や飲み物を提供する「N-Cafe」は、他部署の社員と相席するよう8人掛けのテーブルを配置。眺望が開けた明るく伸びやかな空間は、屋外テラスと一体となった使い方もでき、自然の光や風、緑を感じながら新たなアイデアや気づきを得る場所となった。
3階から11階に設けられたオフィスフロアは、柱のない大空間が広がり、多様なレイアウトに対応できる。固定席を設けず、業務内容や仕事相手に合わせて席を自由に移動して使うフリーアドレスを導入。窓側にはボックス型ベンチシートや立ち会議テーブル、ワンオンワンブースなどさまざまなタイプのミーティングスペースを設けたほか、給湯コーナーのパントリーやコピー用紙置き場なども活発なコミュニケーションを促し、アイデアや情報を共有する場として活用する。
コロナ禍でも確実な業務遂行体制を確保するため、テレワークに即したツールや電子ワークフローなど環境整備も推進し、麹町地区オフィスの出勤率を7割、テレワーク率3割を目指す。
地域の歴史や文化を強く意識した施設は黒川紀章建築都市設計事務所がデザイン監修した。黒川紀章のデザインや設計手法、なにより「共生」の思想を引き継ぎ、伝統的な素材や色調と現代の建築技術を融合させた「歴史と現代の共生する」デザインを展開。特に江戸時代からの伝統的な図柄である「翁格子」のデザインモチーフを細部に至るまで取り入れて「永続的な発展」を表現している。
また、「LEEDゴールド認証」「CASBEE・Sランク」を取得した高い環境性能とともに制振装置の設置など安全性の機能も強化。ウィズコロナの時代にあって働き方の多様化、変化のスピードがさらに加速する中で、このビルを中核に時代変化に柔軟に対応しながら、グローバルなコンサルティング&エンジニアリングファームへの進化と成長を加速していく。