【記者座談会】新型コロナウイルスの感染再拡大 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【記者座談会】新型コロナウイルスの感染再拡大

A 新型コロナウイルスの感染者数が全国的に増加している。建設関連会社でも感染した社員が相次いで確認されているようだが。
B ゼネコンは各社とも感染者が判明すればホームページで公表しているが、7月中旬以降は連日といっていいほどで緊急事態宣言期間中よりも多い。設備会社や建設コンサルタントでも感染者が発生したというリリースを目にすることが増えてきている。
C 東京都など首都圏や大阪府、愛知県、福岡県など都市部で新たな感染が相次ぐ。東京問題からいまや完全に全国的な問題となったことは間違いない。厚生労働省は6月に医療体制の確保に関連して都道府県が社会に自粛などの協力要請を行うタイミングとして、それまでの1週間の新たな感染者数が人口10万人当たり2.5人を超えた日を目安とするよう示していたが、4日までの1週間を見ると沖縄県の27.94人を筆頭に22の都府県でこの数字を超えている。
D ゼネコンでは緊急事態宣言解除を受けて本社出勤率を7-8割まで戻していた会社もあったが、ここにきて5割以下、3、4割まで再度抑える会社も増えている。感染拡大に歯止めがかからない上、家庭内や会食を通じて感染するケースも増えているだけにテレワークやサテライトオフィス、ウェブ会議など感染リスクを低減する取り組みは一過性ではなく事業継続の観点からも制度的に定着するだろう。

現場では入場口に検温・消毒するコーナーを設けるなど、感染防止対策を徹底している

◆3密回避を徹底し建設現場は続行

A 店社は在宅勤務に対応できるだろうけど建設現場は実際どうなの。
B 先の緊急事態宣言発令中には一時現場を止めた大手ゼネコンも現在は現場を止める気はないようだ。というのも各社の現場担当者は、感染拡大期にあったゴールデンウィーク中に、現場作業で密閉・密集・密接の3密回避対策をまさに寝食を忘れるほど考え抜き、連休明けからその方策を実行している。基本は3密状態をつくらない作業環境の確保と現場への入場時の検温と消毒の徹底だ。
D 作業フロアの人数制限や作業時間をずらしたり、現場事務所を複数設置して分散しているケースもある。
C 長い梅雨が明けて連日猛暑日が続く。今後は熱中症にも留意しなければならない。多くの現場では作業環境が3密でなければマスクを外してもいいと指示しているよ。
E 3密を避けるという観点で言えば遠隔操作による無人化施工やロボットなどによる省人化や自動化といった新技術のより積極的な活用も今後求められる。土木学会のパンデミック特別検討会が発表したコロナ禍を踏まえた社会とインフラの転換に関する声明でも、感染症リスク下で社会に必要な業務を継続するために、新しい生産システムの構築へ従来の慣行や基準が障害となっているのならこれを粘り強く解決していく覚悟が必要だと訴えている。
C 帝国データバンクによると、新型コロナウイルス関連倒産は3日の時点で全国406件に達した。業種別では飲食店やホテル・旅館が多いが、建設も21件発生している。感染拡大防止は大前提だが、やはり経済再興も必要だ。まさにウィズコロナの社会のあり方が問われている。
E 7月豪雨災害の被災地ではコロナ禍と自然災害の複合災害という新たな課題も突きつけられた。お盆休みを経て9月には台風シーズンが到来する。次々と難題は降りかかるがベストとは言えなくてもベターな対応を走りながら考えていくしかない。

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