【極限環境下で実証済み】白山工業 大深度地下などで地震観測が可能なシステムを提供開始 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【極限環境下で実証済み】白山工業 大深度地下などで地震観測が可能なシステムを提供開始

 白山工業(東京都府中市、吉田稔社長)は、大深度地下や海底、海上・沿岸などでも地震観測が可能な「光センサ地震計測システム」の提供を始めた。東京パワーテクノロジーが販売元となる。

 同システムは、振動で変動する光信号レベルを光干渉法で計測する独自の「位相シフト光干渉法」を採用している。センサー部は、光ファイバーと機械部品だけで構成し、電子部品を使わないため、高温・高圧・放射線高線量・雷多発といった極限環境下でも地震観測ができる。電力供給も不要なため、長期・安定的に稼働する。加速度センサー、光ファイバーともに、耐熱温度は標準85度、高温用は200度となっている。

 1本のファイバー上に複数のセンサーを接続できるため、海底や資源探査といった遠距離・広範囲の条件でも、観測網を短期間・低コストで構築できる。

 開発に当たっては、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の技術開発テーマとして採択され、実フィールドでの長期実証試験を実施した。2016年度からは文部科学省の「次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト」で新しい観測技術の開発課題として採択され、桜島や浅間山で性能や耐雷性の実証試験を実施し、長期・安定的に高精度な計測が可能なことを確認している。
 価格は1システム当たり2000万円から。

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