【CO2使い地熱発電】技術開発に今年度から5年間 大成建設など | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【CO2使い地熱発電】技術開発に今年度から5年間 大成建設など

 大成建設と地熱技術開発(東京都中央区、中田晴弥社長)は、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が募集した地熱発電技術研究開発事業「カーボンリサイクルCO2地熱発電技術」に採択されたことを受け、熱水資源に頼らない革新的な地熱発電の技術開発に着手する。実施期間は2021年度から25年度までの5年間。

発電の仕組み


 地熱発電は、地中で温められた「熱水」(蒸気を含む)を汲み上げ、タービンを回すことで発電する。昼夜を問わず安定的に発電できるベースロード電源として期待されているものの、地熱発電の調査から事業化まで時間がかかり、ボーリング調査で地層の中が十分に高温であることが確認されても熱水量不足で事業化できないといったケースもある。このため、国内の総発電電力量に対して地熱発電電力量は0.3%にとどまっている。

 大成建設と地熱技術開発は、高温状態でありながら熱水量不足で地熱発電を適用できなかった地熱貯留層中にCO2を圧入し、熱媒体として循環させて高温になったCO2を回収する技術を開発する。圧入したCO2の一部は、地熱貯留層中に炭酸塩鉱物などとして固定されるため、カーボンニュートラルにも貢献する。

 採択事業で大成建設は、二酸化炭素回収・貯留技術で培った解析技術で、地熱貯留層内でのCO2流体挙動把握技術の開発を担当する。地熱技術開発は、水を人工的に地下に注入・循環させて地熱流体の生産を維持・増産する技術などを使い、全体システム設計と地熱貯留層内のCO2人工貯留層造成技術の開発を担当する。


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