【記者座談会】虎ノ門ヒルズステーションタワー開業/洋上風力推進で動き | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【記者座談会】虎ノ門ヒルズステーションタワー開業/洋上風力推進で動き

◇都市再生、国際競争力に貢献

A 森ビルが虎ノ門一・二丁目地区市街地再開発事業として整備していた虎ノ門ヒルズステーションタワーが開業した。森タワーの建設から始まった虎ノ門ヒルズはこれで完成形となる。

B 大きな特徴としては東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅に直結することだ。地下鉄駅には珍しい駅前広場も整備し、3層吹き抜け構造で明るく開放的な空間となっている。商業施設や飲食エリアとも接続していて、にぎわいあふれる駅前の顔となりそうだね。

C 大規模歩行者デッキも整備して地下、地上ともに回遊性が高まる。インフラ整備と一体開発をした点がこのタワーの特筆すべき点だ。

A 「TOKYO NODE」の存在も忘れてはいけないね。8階と45-49階に配置されたまったく新しい情報発信拠点で、ホールやギャラリー、VR(仮想現実)技術などさまざまな研究を行うラボなども併設する。メインホールは正面の背後がガラス張りになっていて、東京の街をバックにプレゼンテーションなんてこともできる。

B まるで映画のワンシーンのようだ。

C オフィスや東京初進出となる「アンバウンド コレクション by Hyatt」が手掛ける新ホテルも入る。人を集める機能を備え、人の流れを生み出す東京の新しい象徴となることが期待できる。

D 規模はS・SRC造地下4階地上49階建て延べ約23万㎡で、高さは266mに上る。最上階にはインフィニティプールやスカイガーデンがあり、都会の絶景を堪能できる。

B 都市再生や国際競争力への貢献が期待される。ぜひ訪れてみたい。

虎ノ門ヒルズステーションタワー

◇CN実現へ技術、ノウハウで連携

A 洋上風力推進の関係で最近、いろいろと動きが出てきたようだね。

B 3日には、戸田建設と熊谷組、西松建設、若築建設、岩田地崎建設、吉田組の6社の社長が会見し、1300t吊りクレーン搭載のSEP船(自己昇降式作業台船)を調達することを発表した。6社は、洋上風力施工船舶の保有などを目的とした新会社を立ち上げている。幹事会社となる戸田建設の大谷清介社長は「シナジー効果を発揮し、再生可能エネルギー事業、脱炭素化の取り組みを通して、社会に貢献する」としている。

C SEP船は、中古の船の搭載クレーンを1300t吊りに改造して、大型の風車組み立てに対応し、着床式、浮体式ともに施工できる。2025年9月にも供用を開始するそうだ。

D 五洋建設、鹿島、寄神建設が共同で建造を進めてきた1600t吊りクレーンを搭載したSEP型多目的起重機船「CP-16001」が完成した。3社による共同出資会社のPKYマリンが保有・運航するとのことで、11月から北九州響灘洋上ウインドファーム建設工事で稼働を開始するそうだ。

A そのほかの動きはどうだろう。

C エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が、国内洋上風力発電の案件形成の加速化に向けて日本海事協会と基本協定を結んだ。政府の「セントラル方式」の一環で、JOGMECが行う洋上風力発電のサイト調査の結果が発電事業者の案件の実現に寄与する。双方のノウハウや人材などを活用し、国内洋上風力発電の案件形成の加速化につなげるとしている。

A さまざまな面で、技術やノウハウ、人材を活用した連携によって洋上風力発電の取り組みが進み、50年カーボンニュートラルの実現に大きく貢献することが期待される。

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