【生産性・創造性高める空間実現】矢作建設工業 バイオフィリックデザインで本社設備を改修 | 建設通信新聞Digital

5月9日 木曜日

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【生産性・創造性高める空間実現】矢作建設工業 バイオフィリックデザインで本社設備を改修

 矢作建設工業は、SDGs(持続可能な開発目標)を念頭に、バイオフィリックデザインを取り入れた快適で生産性・創造性を高める空間の実現に向けた取り組みを開始した。その第1段階として名古屋市の本社ミーティングラウンジを改修した。今後、同社施設を使用したデータ検証や実証実験を行うことで、設計手法の確立を目指す。

壁面緑化を取り入れたミーティングスペース


 バイオフィリックとは「バイオ=生命・自然」と「フィリア=愛好・趣味」から生まれた造語。人間は本能的に自然を好む感性(バイオフィリア)を持っているという考えに基づき、人工的な環境下で緑など自然の要素を取り入れる設計手法をバイオフィリックデザインといい、ストレス軽減に加え幸福度・生産性・創造性を向上させる効果があることが実証されている。

 今回のミーティングラウンジ改装に当たっては、植物だけでなく、小鳥のさえずりや川のせせらぎに加え、アロマをたくことで視覚だけでない聴覚や嗅覚など五感で自然を感じられる工夫を施した。

 また快適性と機能性を両立するため、植物のメンテナンスがしにくい場所にはフェイクグリーン(人工植物)を採用。美観性を継続させるため植物が生育するのに必要な光量を確保した照明計画としたほか、ほぼすべて愛知県産の植物を使用することで、地元産業活性化にも努めている。

 今後、ミーティングラウンジに加え、研究開発拠点であるエンジニアリングセンターに展開してデータ測定や実証実験を実施し、より一層高いパフォーマンスを発揮できるバイオフィリックデザイン手法を確立する。近年の健康経営の普及や働き方改革などにより、働く人の満足度や生産性に配慮した空間に対するニーズは今後高まると予想される中で、オフィスのみならず商業施設やマンションにも展開していくことで、快適な空間づくりを通じSDGs達成に貢献していく。

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