【"ニューノーマル"の住まい】パークタワー勝どきミッド・サウスが示す新しい暮らしの形とは | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

公式ブログ

【”ニューノーマル”の住まい】パークタワー勝どきミッド・サウスが示す新しい暮らしの形とは

 新型コロナウイルス感染拡大の対応策として、テレワークなどの働き方改革や3密防止を始めとする新しい生活様式が普及する中、生活上ではさまざまな場面で変化が求められている。こうした事態に、生活の基盤となる「住宅」はどうあるべきなのか。ディベロッパー各社が模索する答えのない問いに、三井不動産レジデンシャルは2023年の完成を目指す大規模マンション「パークタワー勝どきミッド・サウス」で、未来のライフスタイルの象徴となる住まいを目指す。

75分の1スケールの模型。サウス(手前)とミッド(奥)


 パークタワー勝どきミッド・サウスは、東京都中央区で計画を進めている総延べ約37万㎡の勝どき東地区第一種市街地再開発事業のうち約32万㎡を占める大規模プロジェクトだ。19年3月から進めている工事の途上で新型コロナの感染が拡大し、政府が4月に発令した緊急事態宣言でテレワークや外出の自粛など社会情勢が一変、事業のあり方を再考する状況となった。

 「新型コロナ以降は、従来の取り組みにプラスαの付加価値が求められる」。三井不動産レジデンシャルの勝どきプロジェクト責任者である木内淳一都市開発二部事業室長は、未曽有の事態が与えた住宅開発への影響について、こう語る。「ウィズ・アフターコロナの暮らしのあり方が次の時代のニューノーマルへと変化し、これまでにない新しい生活様式が定着する」と想定する。

木内室長


 新型コロナについて同社は、リモートワークが定着して働く場所や時間をより自由に選べる「働き方の変化」、授業や習い事、フィットネスや飲み会など「サービスのオンライン化」の2つに大きな影響を与えたと分析する。家族と暮らす専有部、複数の居住者が利用する共用部で、家族や周囲の環境に左右されない自分だけの時間やスペースを確保し、仕事や趣味を楽しむニーズが高まっている。

 パークタワー勝どきは、東京五輪以降に変動していくライフスタイルを見据えた「BRIDGE TO THE NEXT」をコンセプトに設計を進めていた。コワーキングスペースや地域に開放された外構など新しいライフスタイルを想定したベースは、新型コロナ以前から組み込んでいた。しかしコロナ以降、各家庭や各企業がさまざまな状況に応じた対応を取る中、新しいライフスタイルは一律ではなく、個々に合わせて変化をする「多様性」が求められた。

 ミッド棟3階に設置する約300㎡のコワーキングスペースには、家庭でのリモートワークやオンライン学習を想定して個室ブースを設ける。仕事や勉強に要する時間も、新型コロナ前は1-2時間だけを想定していたが「1日中作業ができるように、電話ブースや荷物を置くロッカーを追加した。学生の勉強スペースとしての使用も想定している」

 ワーケーションを意識して自然を感じる空間も取り入れる。水・緑・空を身近に感じる外構エリアと共用部にWi-Fi環境を整備。外構エリアは800本を超える樹木で囲み、ワークに適したアウトドアテーブルを複数設置する。サウス棟1階のカフェテリア、2階のテラスラウンジは水辺に面したサッシを開放、53階には空をより身近に感じるスカイデッキを設置する。

 新型コロナは生活者の健康意識にも影響を与えている。「これまでは通勤しながら何気なく運動していたが、在宅勤務などが定着すると、意図して体を動かさないといけなくなった」と指摘する。ダイエットや運動不足が話題になっていたことを受け、パーソナルフィットスタジオにも力を入れる。Wi-Fiやモニター、スピーカーを完備したパーソナルスタジオで、スマートフォンをつないでユーチューブなどの動画を見ながら、オンラインフィットネスサービスが利用できる。

ニューノーマル時代の暮らしの変化


 このほか、ひとりを楽しむリラックス空間や占有部の間取り変更メニューに書斎部屋プランを追加、デイユース可能なゲストルーム・プライベートサロンの設置など個人利用の設備を充実させる。

 顧客の持つ生活意識について「(顧客も)まだまだ手探りの状態。各個人、各家庭がそれぞれの理想を取捨選択しているのだろう」という。そうした状況のなかでも「事業主としてどう応えるべきなのか」との問いを追い求めるため、アンケートを通じて需要の変化をつかんだ。

 テレワークを想定して住宅の広さや共用部の充実などに関心を寄せる声が多く、仕事への考え方が変わってきていることに「在宅ワークを意識し、コワーキングスペースやオフィススペースへの評価が高い。占有部以外で仕事ができることが求められている」とニーズの高さを実感している。

 新型コロナで変わりつつある顧客ニーズについて、木内室長は「リモートワークが普及し、オフィスだけでなく家の中で仕事をすることが住宅開発の前提となった。これが一番変わった部分だ。スピード感をもって、需要に応える商品規格の開発に取り組む」と力を込めた。 パークタワー勝どきミッド(中央区勝どき4-1501)の規模はRC造地下2階地上45階建て延べ13万8312㎡。設計施工は清水建設が担当。

 サウス(中央区勝どき4-1500)の規模はRC造地下3階地上58階建て延べ18万0827㎡で、鹿島が設計施工を担当している。

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら