【低コスト化へ産学連携】レーザースキャナーで出来形管理 前田道路らが現場施工を開始 | 建設通信新聞Digital

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【低コスト化へ産学連携】レーザースキャナーで出来形管理 前田道路らが現場施工を開始

 前田道路、法政大の今井龍一デザイン工学部都市環境デザイン工学科教授、三菱電機エンジニアリングは9月28日、福島県伊達市で前田道路が施工する「富沢地区舗装工事」(発注者=東北地方整備局福島河川国道事務所)の現場で、「土工・舗装工事の出来形管理のための建設機械搭載型計測装置の開発プロジェクト」の現場試行を開始した。

 舗装における表層工の前工程である路床・路盤工の仕上がり面の形状を建設機械搭載型のレーザースキャナーで計測、点群データをリアルタイム処理して面管理による出来形管理を実現する技術で、施工者は作業中に点群データを計測しながら出来形を判定できる。クラウドシステムにより計測結果を共有することで発注者は現地に行かなくても遠隔臨場でき、ICT舗装での出来形管理の作業効率化と品質向上を同時に実現する。

 3者は導入しやすい価格帯で幅広く普及する技術の開発に2018年から取り組んできた。メーカーが有する技術を舗装工用に改良したレーザースキャナーや従来機器に活用し、大学が開発したデータ処理ソフトプラットフォームを使うことで、ICT舗装工の技術的要求事項を満たしつつ、低コストで導入できる技術とし、現在普及している技術では4000万円程度かかるものを4分の1から5分の1程度に抑えることを目指している。

 同プロジェクトは、20年度公募の国土交通省「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(追加公募)」のうち「データを活用して土木工事における品質管理の高度化等を図る技術」に選定されている。

 9月30日には、福島河川国道事務所の現場見学会が開催され、種市優技術副所長を始め、i-ConstructionやBIM/CIM、工事を担当する職員17人が参加。木元亮現場代理人が工事概要や情報化施工技術を説明した後、試行技術による路床面の計測デモやデータの表示状況などを解説した。

 今回の現場試行では、年内をめどに路床工や路盤工の計測を数回実施して技術的な確立を進めていく。その後、前田道路社内でさらに試行を重ね信頼性を高めた上で、1年から1年半後をめどに汎用化することを目指す。

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