同作品は、淡路島の東にある細長い島「成ヶ島」を敷地に設定し、津波防波堤機能も果たすミュージアムのプロジェクト。斎藤さんは「学内のコンクールでは2位で、今回も勝つ自信はなかった。模型のディテールを評価していただいたことがうれしかった」と喜びを語った。
ゲスト審査員として参加した建築家の白井宏昌滋賀県立大教授は「近年、学生の作品からモノをつくる魅力、空間をつくる魅力を感じることが少なくなったが、今回の入選作品には垣間見れてよかった。どの作品にもいいところがある。それに気付いて伸ばす努力をしてほしい」と講評した。
同じくゲスト審査員として参加した手塚貴晴東京都市大教授は「建築家とは、自分の好きなことをして稼ぎ、人を幸せにし、社会も変えられる仕事であり、膨大な力を持っている。こんなにすばらしい人生はない。設計を学んだ人はぜひその道に進み、誇りを持って歩んでいってほしい」と声をかけた。
審査会では44作品の中から6作品を選抜しプレゼンテーションを実施。最優秀賞のほか、ゲスト審査員賞を各1点選出した。白井賞には伊藤大輝さんの「森に築く-田辺市龍神村における地元龍神材を用いた新たな木質空間の提案」、手塚賞には田中理貴さんの「海と山と街-津波被災地における持続的復興拠点の提案」が選ばれた。