【深化する関西の建設ICT】わが社のBIM/CIM/ICTプロジェクト最前線〈4〉 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

B・C・I 未来図

【深化する関西の建設ICT】わが社のBIM/CIM/ICTプロジェクト最前線〈4〉

 建設ICTの取り組みは多岐にわたる。3次元モデルデータなどの活用による業務効率化や生産性向上は通過点であり、最終的に目指すのは調査から設計、施工、維持管理をつなぐ一貫したデータ連携の流れだ。建築設計事務所、ゼネコン、建設コンサルタントの計36社の最新事例から、建設ICTのトレンドを読む。

清水建設/BIG DAISHOWA株式会社大阪本社ビル計画/設計構造BIMデータで業務効率化

 当社の設計施工で受注し、建築生産プロセスにおいて一貫してBIMに取り組んだ「Shimz One BIM」による取り組み案件である。設計段階では、特徴的な建物形状の発注者への説明や、複雑な納まりの整合調整にBIMを活用し、早期に合意形成や建築・設備の納まりを解決することができた。施工段階では、設計構造BIMデータを活用し、KAPシステムによる鉄骨積算および製作図への連動により、大幅な業務効率化が図れた。
 (山岸洋/関西支店生産計画部BIM推進グループ長)

東急建設/和歌山県立医科大学薬学部建築工事/BIMファーストで事前検証

 本社のBIM推進部が現場からの依頼を受け、工事着手前に構造図を3次元化したBIMモデル(ファーストモデル)を現場に提供している。われわれ作業所もファーストモデル作成を依頼し、それを使って梁貫通や施工シミュレーションなどの事前検証を進めてきた。施主や設計者への説明にも効果を発揮している。わたしも含め現場職員はBIM研修を受けており、現在は若手職員2人がBIM担当。張弦梁工法などの特殊技術部分でも現場関係者間の事前確認に効果を発揮している。大規模さらには複雑な現場はBIMの効果を最大限に生かせると実感している。
 (木村春喜/作業所長)

フジタ/大阪市豊野浄水場プロジェクト/多工種でのCIM活用

 弊社大阪支店では大阪市水道局発注の豊野浄水プロジェクトをCIM重点利用の作業所と位置づけ、多工種でのCIM活用にチャレンジした。基礎地盤をモデル化し、杭基礎工事における支持層への貫入確認・掘削形状や掘削土量の確認を行った。また、仮設構台をモデル化して躯体との取り合い・干渉チェック・施工計画に活用し、さらに、躯体本体モデルでは、形状確認・コンクリート量確認や施工計画にも役立てた。今後も現場の実務の効率化を図り、生産性向上を追求し続ける。
 (池内正明/土木本部土木エンジニアリングセンター設計部長)




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