【深化する関西の建設ICT】わが社のBIM/CIM/ICTプロジェクト最前線〈10〉 | 建設通信新聞Digital

5月8日 水曜日

B・C・I 未来図

【深化する関西の建設ICT】わが社のBIM/CIM/ICTプロジェクト最前線〈10〉

 建設ICTの取り組みは多岐にわたる。3次元モデルデータなどの活用による業務効率化や生産性向上は通過点であり、最終的に目指すのは調査から設計、施工、維持管理をつなぐ一貫したデータ連携の流れだ。建築設計事務所、ゼネコン、建設コンサルタントの計36社の最新事例から、建設ICTのトレンドを読む。

◆協和設計/働き方改革への貢献/最新ソフト導入、人材育成も強化

 「BIM/CIM推進室」を設置し、基礎知識・技術力向上を目指した勉強会を継続的に開催し、人材育成に取り組んでいる。跨線橋設計では、鉄道建築限界との離隔確認、施工手順を明確にし、関係機関との協議に活用した。電線共同溝設計では、地下の既存構造物や配管を3D化し、複雑な配線計画を可視化することで、発注者との情報共有を図った。今後は、設計計算と連動したCADソフトを導入し、働き方の改善に寄与していきたい。
 (北野俊介/BIM/CIM推進室室長)





◆建設技術研究所/生産プロセスに配慮した事業プラットフォーム構築/効率化を目指した運営手法検討

 当社では設計施工段階のBIM/CIM3次元モデルの有効活用、施工後の事業監理の効率化など、建設生産プロセスに配慮した事業情報プラットフォームの構築検討に取り組んでいる。i-Constructionモデル事業である松山外環状道路インター東線事業の業務では、クラウドを用いたプラットフォームの構築および情報の一元管理、CIMおよびGISを利用した情報の可視化、事業進捗に応じたCIMモデル作成仕様の策定など事業運営管理システムを構築し、事業全体の効率化を目指した運営手法を検討した。
 (久木野定/大阪本社構造部グループリーダー)



◆修成建設コンサルタント/BIM/CIM推進/委員会軸に業務プロセス変革

3Dモデル(VR)による地元説明会資料

 当社は、2018年に「BIM/CIM委員会」を立ち上げ、勉強会の開催などによる技術者の育成や各種ソフトウェア、ツールの導入を進め、計画から維持管理までの幅広い分野で業務の効率化・高度化を図ってきた。今後、インフラ分野のデジタルトランスフォーメーションはさらに進化していくと考えられ、当社もこれまでの知識・経験を生かしてBIM/CIMのより一層の活用を図り、業務プロセスの変革につなげていきたい。
 (漆谷悟/技術1部河川・砂防グループ・グループマネージャー)

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