【5グループが参加】仙台市本庁舎建替基本設計提案競技 公開プレゼンテーションを開催 | 建設通信新聞Digital

5月8日 水曜日

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【5グループが参加】仙台市本庁舎建替基本設計提案競技 公開プレゼンテーションを開催

 仙台市は11月29日、本庁舎建替基本設計業務の公募型プロポーザルの公開プレゼンテーションを仙台国際センター展示棟で開いた。市民ら200人と、建築家の伊東豊雄氏(委員長)ら6人でつくる審査委員を前に、2次審査対象5グループがそれぞれ提案内容などをプレゼンした。近く受託候補者を公表する予定だ。

 冒頭、あいさつに立った郡和子市長は「東日本大震災を乗り越えた将来を見据え、市民協働や防災環境都市などをテーマに掲げる本市のシンボルにふさわしいプレゼンを期待している。審査委員には市民の思いをくんだ設計者を選定してほしい」と呼び掛けた。

 メンバー非公表で実施した公開プレゼンでは、審査対象者がそれぞれ模型とスライドを使いながら、まちづくりや災害対応、利便性、環境配慮など、基本計画に掲げたテーマに沿って技術やデザインを提案した。

 第1グループは、免震構造の高層棟と耐震構造の低層棟を制振ダンパーで連結した連結免制振構造を提案。建物は敷地西側に配置し、東側には多用途に使える半屋外空間「杜の広場」も設けるとした。

第1グループの提案模型


 第2グループは、一般執務機能などを大平面の執務空間に集約することで階層を10層程度に抑えた。内部は低層から高層に向けて市民、行政、議会と明快な三層構成とし、自然光を取り入れた議場は四周を傍聴席とする全方位型を採用。外観はランダムに突き出たバルコニーが特徴となる。

第2グループ


 第3グループは、丘の上に立つ一本の巨樹に見立てたシンボル性が高い庁舎を提案。柱で浮かせた球形の庁舎は、豊富に植栽された外層部を登山のように登ることもできる。内部は吹き抜けを中心に、交流空間を挟みつつ、らせん状にひとつながりの執務空間とする。

第3グループ


 第4グループは、キューブ状の庁舎内に最上階から低層階までクロスするように自然採光と自然通風を取り入れる2つの大きな吹き抜け空間・ボイドを備える。ボイドは採光と通風をそれぞれ最適かつ効果的にするため、各階で大きさや角度、形状などが異なり、不均質さが多彩なフロアを形成する。

第4グループ


 第5グループは、低層部に立体交差する歩行者街路空間の整備を提案。街路は庁舎内中央から敷地南側にある一番町商店街との連続性を意識した動線を軸に、内外で重なり合う道と、道沿いに設ける市民活動の拠点となる空間を随所に設けることで、交流などを創出させる。

第5グループ


 基本設計の履行期限は2022年3月18日。23年度に実施設計をまとめる。24年度から本体工事に着手し、27年度の完成を目指す。外構を含む全体完成は30年度を予定している。

 新本庁舎の規模は、延べ約5万8000-6万㎡を想定。業務委託の上限額は2億8102万5800円(税込み)に設定。概算工事費は約350億-370億円(同)と試算している。

 基本構想は梓設計、基本計画は久米設計がそれぞれ担当した。建設地は同市青葉区国分町の現地。

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