【コロナ禍の生活様式】TOTOが生活意識・行動実態調査を実施 見えてきたキーワードとは? | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【コロナ禍の生活様式】TOTOが生活意識・行動実態調査を実施 見えてきたキーワードとは?

 新型コロナウイルスの感染拡大により生活形態が一変する中で、住居に求める機能への意識も変わり始めている。そうした変化を捉えれば、人口減少によって新設住宅着工戸数が減る中でも住宅設備市場にはまだ商機が残る。TOTOが発表した「コロナ禍における生活意識と行動に関する実態調査」で浮かび上がってきたのものは、衛生・清潔と節約というキーワードだ。

新型コロナの流行を経験し、今後、自宅をどのようにしたいか(単一回答)


 TOTOは、コロナ禍による生活者の住宅への意識や生活動向の変化、リフォーム意向を水回り(トイレ、洗面所、浴室、キッチン)を中心に把握するため、8月に実態調査を実施した。20-79歳の全国の男女を対象にインターネットで調査、2197サンプルを収集した。

 その結果、「新型コロナの流行を経験し、今後、自宅をどうしたいか」との質問では、「自宅をリフォームせずにそのまま住み続けたい」の回答が51.8%だった一方で、「いまの自宅をリフォームして住み続けたい」も23.0%を占めた。リフォームして住み続けたい理由は「長く住み続けたい」「快適に過ごしたい」が40%前後を占めた。

 在宅勤務の増加によって郊外への転居希望が増えるという予測もあったが、「新たな住宅に住み替えたい」「新たにセカンドハウスを購入したい」はあわせて5.5%にとどまっており、現在の自宅を今後も生活の前提とする人が多いことが分かる。

 リフォーム希望者に、コロナ禍によってリフォームしたくなった場所を聞いたところ(5段階評価)、「トイレの便器本体」「システムバス・浴槽」「システムキッチン・流し」「洗面化粧台・洗面器」「温水洗浄便座」が24.5%から30.4%に上り、水回りに対する関心が高まっている。コロナ禍で衛生意識が高まったことが背景にあるとみられる。

 特に希望する水回りの設備は、キッチンと洗面所が「自動水栓」、トイレが「便器内の除菌機能」「節水式トイレ」、浴室が「節水機能のついたシャワー」との回答が多数を占めた。自宅で除菌する場所も、「トイレの便座、ふた」「調理器具」「キッチン・台所の調理台やシンクまわり」が上位3位に挙がった。

 キッチンや洗面所では、状況にあわせて水量を微妙に調整する必要があるため、自動水栓に対するニーズはこれまで高くなかった。それが衛生意識の高まりによって、キッチンや洗面所でもハンドルを触らずに水を流すニーズが出始めている。

自宅の水まわりに欲しい設備(現在の自宅をリフォームして住み続けたい人のみ ・複数回答)


 自動水栓や節水機能へのニーズの高まりには衛生意識とあわせて、もう1つ要因がある。コロナ禍での行動変化を聞くと、「自宅で過ごす時間」「家族で過ごす時間」が増えたとの回答が半数を超えた。自宅の水回りでの行動の変化についても、洗面所での「手洗い回数」「帰宅後の手洗い」「1回当たりの手洗い時間」が半数を超した。

 あわせてコロナ禍での自宅の困りごとを聞くと、「光熱費がかかる」が22.8%、「掃除が大変」が21.6%、「衛生面が気になる」が20.0%を占めた。在宅勤務が増える中で、手洗い回数や料理、入浴の回数が増え、自宅の光熱費が増加し、節水を意識する家庭が増えたとみられ、これが自動水栓や節水機能を求める流れを生む大きな要因となっている。

自宅で困ったこと(複数回答)


 住宅設備業界は、新設住宅着工戸数の減少に伴い、リフォームを主戦場とする企業が増えた。複数回の対面相談が必要になるリフォームはコロナ禍でいったん需要が落ちたものの、潜在的需要は増加し続けており、ニーズを捉えればまだまだ成長市場となり得そうだ。

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