【従来より床厚半減】ビークルやロボットにワイヤレス給電 内装床「T-iPower Floor」 | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

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【従来より床厚半減】ビークルやロボットにワイヤレス給電 内装床「T-iPower Floor」

 大成建設は、豊橋技術科学大学と大日本印刷と共同で汎用小型車両(ビークル)やロボットにワイヤレスで給電する内装床「T-iPower Floor」を開発した。従来型の給電床と同等の性能を持ちながら、床厚を半減できる点が特長。敷設に伴う工期短縮と工事費の削減が図れるというメリットがある。

電界結合方式ワイヤレス給電システムの概略図


 生産施設や物流施設で荷物運搬用のビークルやロボットの導入が進められるなど近年、作業員の省力化や無人化に対するニーズが高まっているが、運行の状況に応じてバッテリーの充電や交換が必要になるため、ワイヤレス化による効率的な給電システムの導入が求められている点に着目。

 豊橋技術科学大学と電気自動車などを対象に車両のタイヤを介して電力を供給する電界結合方式を利用したワイヤレス給電床の開発を進めていた。新たに大日本印刷を共同開発者に加えることで生産施設や物流施設の屋内利用をターゲットにしたワイヤレス給電床を構築した。

 大成建設と大日本印刷が共同開発した薄型樹脂パネルで構築されるワイヤレス給電床「T-iPower Floor」は、走行中のビークルなどにワイヤレスで送電が可能。バッテリーの充電や交換作業が不要となるため、ビークルやロボットなどの大幅な稼働率の向上が見込める。

 薄型樹脂パネルを連続して敷設する「薄型パネル工法」を採用することで、従来の塗床工法で施工される給電床に比べて施工性に優れる。送電レーンのレイアウト変更に柔軟に対応できる点も特徴だ。

 今後の実証実験の継続によって多様な施設への適用に向けた検討・提案を進めていく。試験導入や運用など実際の施設での実証を重ねることで、2025年度の商用化を目指す。

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