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コマツは27日、主力機種となる20tクラスの油圧ショベルのフルモデルチェンジを発表した。土木工事の主流になりつつあるICT施工を地方など中・小規模の現場まで普及させようと、マシン操作を自動でサポートする3Dマシンコントロール(MC)機能を従量制で使えるようにした。ICT施工にチャレンジする際にハードルとなっていた初期投資をなくすことで、導入ケースの拡大を目指した。
新世代建機と位置付ける「PC200i-12」は、運転席のディスプレー上に設計図面データなどを表示する3Dマシンガイダンス(MG)機能は標準装備する一方、MGに基づき、機械の操作を自動制御し、技量の有無にかかわらず図面どおりの施工ができるMCは標準搭載せず、ユーザーの利用頻度に応じて課金する仕組みを採用した。
選択型のMC導入に当たっては、利用権を買い切るAプラン、頻度に応じて課金するBプラン、機能をまったく使わないCプランの三つを用意した。建機購入後にプラン変更ができるため、例えば、Bプランで、まず実際に使ってみて、利便性を実感してからAプランに移行するといったことも可能だ。
同日の会見では、ソフトウエアのアップデート予定にも言及があり、さらなる機能拡充の可能性も見込まれる。既に自動車分野では、米電気自動車大手テスラが、車体を買い換えず、ソフト更新で新機能を追加・強化するSDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)という取り組みを進めている。今回のコマツの発想はこれに親和する点も多く、建機メーカーとしては全く新しい切り口だ。国内建機最大手の新たな動きが、業界他社に波及する可能性も考えられる。