【仙台駅周辺再開発などを展望】2021年東北地方各地の注目建築プロジェクト | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【仙台駅周辺再開発などを展望】2021年東北地方各地の注目建築プロジェクト

 2021年に東北地方で注目される建築プロジェクト。後半は秋田と山形、福島の3県と仙台市を展望する。

仙台市の都心再構築プロジェクト第1号のNTT仙台中央ビルは、低層部でまちの回遊促進につなげる


◆秋田県/泉外旭川駅で大規模構想
 市町村で公共施設の統廃合の議論が進む中、湯沢市は21年度に湯沢駅周辺複合施設の基本計画と民間活力導入可能性調査を実施。横手市は、公共施設再配置市民検討会の提言を受けて、総合体育館と市民会館を25年度までに改築する。また、JR横手駅前の横手駅東口第二地区市街地再開発事業は横手建設・半田工務店・伊藤建設工業JVで本格着工する予定だ。

 秋田市は、3月に開業を控えるJR奥羽本線泉外旭川駅周辺で卸売市場の再整備を計画。サッカーJ2に昇格するブラウブリッツ秋田の新スタジアムの有力な候補地となっているほか、イオンタウンの開発も計画されている。

 県は21年度に大曲高校や新複合化相談施設などの工事を発注する予定だ。

◆山形県/新市民会館が構想策定
 山形県は、本間利雄設計事務所に委託した(仮称)農林業専門職大学の実施設計を7月末に完了させる。児童自立支援施設・朝日学園の改築設計業務は秦・伊藤設計が担当している。1月中に米沢養護学校分校校舎の設計者を特定する。

 山形市は、シアターワークショップに委託した新市民会館の基本構想をまとめ、PFI導入可能性調査や設計などを進める。昨年1月に経営破たんした老舗百貨店・大沼山形本店の跡地は市都市振興公社が取得。隣接する市立病院・済生館との一体的な再開発も視野に入れている。このほか、同市を始め寒河江市、村山市、最上町などで道の駅整備に民間活力導入を検討。高畠町の新庁舎は2月中に設計者を特定する。

◆福島県/国際教育拠点の構想着手
 JR福島駅東口地区の再開発事業は、準備組合と市が連携して同駅前にコンベンション機能などを備える複合施設の建設を計画。本組合の設立準備を進める。いわき市内では、いわき駅並木通り地区市街地再開発組合がマンション・商業・業務などの複合施設の権利変換後に着工する。

 郡山市内は、星総合病院が旧病院跡地に設ける多世代交流複合施設の基本計画策定後、設計に着手する。郡山駅前では湯浅報恩会などによる旧寿泉堂綜合病院敷地の再開発事業が都市計画変更を目指す。

 浜通りの復興・再生では、復興庁が国際教育研究拠点の基本構想を策定する。国からの条件などを踏まえて県が建設候補地を絞り込む予定だ。

 また、県は原発事故後に休止していた郡山合同庁舎の移転計画を再始動させる。3月までに建設地の仮設住宅を撤去し、現地調査や建築設計などを実施する見通しだ。このほか、会津若松市はECI(施工予定技術者事前協議)方式で新庁舎整備事業(設計=梓設計・白井設計JV)の事業者を選定する。

◆仙台市/都心再構築事業本格化
 仙台市は中心部で老朽化した民間ビルの建て替えが計画されている。老舗百貨店・藤崎の本館を含む一帯を再開発する一番町三丁目おおまち南地区再開発推進協議会が事業協力者の選定を進めている。同市の都心再構築プロジェクト初弾となるNTT都市開発のNTT仙台中央ビル(設計=久米設計)は今夏にも着工。仙台駅前のさくら野百貨店仙台店跡地は、敷地の約8割を所有するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが今秋の準備組合設立に向けて他の地権者や関係機関と協議中だ。

 市は民間活力を導入する泉区役所建て替えの事業者選定を3月に始める。戦災復興記念館と市民会館の両ホール機能の統合を図る新たな音楽ホールの建設地を20年度中に特定し、基本構想に着手する予定だ。

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