【交渉ラインなどを策定】個別賃金水準の維持・向上へ 2021年賃金交渉基本構想を発表 | 建設通信新聞Digital

5月6日 月曜日

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【交渉ラインなどを策定】個別賃金水準の維持・向上へ 2021年賃金交渉基本構想を発表

 日本建設産業職員労働組合協議会(鈴木誠一議長)は19日、2021年賃金交渉基本構想を発表した。加盟組合は、目指すべき「日建協個別賃金水準」のラインを自ら定め、実現に向けて計画的に賃金水準の維持・向上に取り組んでいく。賃金交渉の統一スケジュールは3月23日を要求提出日、4月6日を指定回答日と定めた。21年賃金交渉スローガンは『気持ちを一つに取り組もう 私たちの働きがいのために』とした。

日建協賃金交渉のポスター


 21年の賃金交渉は、コロナ禍の影響などにより、見通しが極めて不透明な状況で、厳しい交渉になることが予想されるとした。一方で、組合員が安定した生活を送るとともに、安心して生き生きと働くため月例賃金にこだわり「あるべき賃金水準」を目指した賃金水準の維持・向上に取り組んでいく。

 月例賃金は、安定した生活をするための基盤を強化するとともに、組合員がやりがいを持って仕事に臨み、生産性の向上など働き方改革に高い意識で取り組むために、引き続き向上に取り組む。

 一時金は、組合員の仕事への意欲向上や生活水準の確保のために、昨年実績以上の水準を目指す。一時金水準の継続的な維持・向上に向けて計画的に取り組んでいく。

 初任給については、継続的な人材確保のため各加盟組合で目標を定め取り組む。

 20年は、月例賃金について制度改定のあった組合を除き、32組合のうち23組合がベースアップ(ベア)を要求し、うち17組合がベアを獲得した。一時金は、要求した29組合のうち17組合の水準が向上した。初任給については、1組合が引き上げを要求し妥結した。会社側からの逆提示によって引き上げとなった5組合と合わせて、6組合で引き上げが実施された。

 20年12月に開いた書記長会議の時点では、素案の段階であるものの、半数程度の加盟組合が月例賃金のベアまたは一時金の前年度比アップ要求を検討している。

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