【舞台の見え方をシミュレート】劇場・観覧施設の設計評価手法「View-esT」発表 VRも活用 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【舞台の見え方をシミュレート】劇場・観覧施設の設計評価手法「View-esT」発表 VRも活用

 パナソニック・ライフソリューションズ社とラムサ(横浜市、西豊彦代表取締役)、東京都市大建築都市デザイン学部建築学科の勝又英明教授は、劇場・観覧施設の舞台の見え方について、計画・運用を支援する設計評価手法「View-esT(ビューエスト)」と、それを活用したVR(仮想現実)シミュレーションを発表した。

 劇場やホールなどでは、計画・設計段階で客席から舞台が見えやすいかの判別が難しい場合もあり、施設完成後に興業の主催者や観客から苦情が寄せられるケースが主に古い施設で発生している。発表した手法は、従来ではできなかった評価基準として「身長差を加味した舞台の見え方」「劇場空間の一体感」「パターン化されていない照明配置」を数値化・定義した。

 これを基に、新規施設の計画・設計や既存施設の改修の段階で、観客や演劇の演者などから劇場がどのように感じられるかVRにより可視化して、計画や既存施設の評価をしやすくし、より良い施設の実現につなげる。

 勝又教授は18日の会見で「劇場の設計は、客席の勾配だったり、用途に歌舞伎が含まれるなら花道を設けたり、などと考慮すべき要素が多く、難易度が高い。それを今回の手法で緩和できる」と意義を述べた。

 パナソニック・ライフソリューションズ社ライティング事業部エンジニアリングセンター専門市場エンジニアリング部調光システムECの松尾浩所長は「VRを駆使し、チケット購入の際に見え方を確認できるサービスなどマーケティングへ活用する展開も考えている」と補足した。

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