【デジタル情報を有効活用】BIMと運用データを"統合" 大成建設の「LifeCycle OS」 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【デジタル情報を有効活用】BIMと運用データを”統合” 大成建設の「LifeCycle OS」

 大成建設は、マイクロソフト社が運営するクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を使って、設計・施工時のBIMデータと建物の運用管理の情報を組み合わせた「サービス用BIM」にロボット管理や施設管理、エネルギー管理などの各種データをひも付ける業界初の統合管理システム「LifeCycle OS」を開発した。

「LifeCycle OS」の概念図


 顧客が所有する建物を対象に「LifeCycle OS」の実装を提案することで、建物の利用者や管理者にニーズに合わせた建物情報を提供。建物の維持・管理・運用の各段階で建物全体のデジタルデータを有効活用していくことが狙い。

 例えば、商業施設にセンサーを設置することで、施設全体から各テナントに至るまで人の動きを記録。BIM情報と連携したデジタルツインをつくり出し、運用状況をリアルタイムに見える化できる。エネルギー管理に活用すれば、空調の制御など運用の最適化や稼働効率の向上に役立つ。

 設計・施工に活用したBIMデータをカスタマイズした「サービス用BIM」を基盤にして、センサーやアプリケーションなどによって取得した外部データを「Microsoft Azure」で統合・連携すれば、顧客のニーズに合わせた最適なデータを提示できる。

 現実空間と仮想空間を結ぶデジタルツインやAI(人工知能)の活用による新築・既存建物への適用を想定。用途ごとにソリューションサービスをパッケージ化することで、建物の運用管理だけでなく、リニューアルなどの将来計画に活用できる最適な情報サービスを提供する。

 これまで建物の建設によって建設会社から提供する設計・施工の各種データは、それぞれ個別に計測・数値化されていたことから、それらを建物全体の情報として運用に生かすには多くの時間と人手をかけてデータを再統合する必要があった。

 建物のBIMデータと刻々と変化する建物管理・運用の各種データを統合管理することで、エネルギー管理の見える化による空調の最適制御や生産・物流施設での生産機械やロボットの統合管理など、所有者の事業・ワークスタイルにデジタルトランスフォーメーション(DX)による変革をもたらす。



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