【パブリックアート】建物も公開空地も楽しく! 内装から設置・メンテまで手掛けるビーファクトリー | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【パブリックアート】建物も公開空地も楽しく! 内装から設置・メンテまで手掛けるビーファクトリー

工房内には工作専用の設備・工具がある

 アート系モニュメントやパブリックアートの設計・制作・設置を手掛けるビーファクトリー(東京都足立区、中村茂幸社長)が、社会にアートを浸透させ、日本の景観や街をより豊かにすることを目指して、建物内装や公開空地のデザインから設置工事までの一括提案を始めた。現在、設計事務所やディベロッパー、ゼネコンへの内装・外構の提案などを始めとした営業活動を展開中だ。

「紀尾井町ガーデンテラス」のモニュメン制作・設置も手掛けた

 これまで同社は、都内のランドマークとして知られる多数のオブジェの制作や設置に関わってきた。代表作に、東京都中央区の銀座三越内のティーツリーの内装や、新宿区のキリンビアホールの内装がある。工房には最新鋭の設備を備え、金属工作・木工作の技術も高い。千代田区の東京ガーデンパレス紀尾井町の公開空地にある現代美術家・大巻伸嗣氏の花のモニュメントの制作では、作家が持ち込んだ模型をスキャンし、3次元CADで設計図を作り、建物前の公開空地で作品を組み立てた。このほか、都内のランドマークとして知られる多くの作品を手掛けてきた。
 水野徳雄専務は「パブリックアートを入れることが、他の建物との差別化につながり、集客力にもなる」と力を込める。オフィスビル・ホテルのエントランス空間などにアート作品を設置すれば、個性豊かな建物を演出でき、にぎわいが生まれると考えている。
 同社の強みとして、東京都台東区で運営する「いりや画廊」の存在がある。2年先まで展示の予約が埋まり、若手彫刻家の登竜門とも言える「いりや公募」も主催する。過去の出展作家の人脈を生かし、内装提案の際にオブジェの制作を依頼することも可能だ。産学協同の時流もあり、直近では東京芸術大学との共同プロジェクトで、品川区の再開発地区にある超高層マンションの外構部などに、若手作家を中心とした数十点の立体作品を納入する予定だ。「アートは建物の付加価値になる」と水野専務は話す。
 もう1つの特色は、柔軟なコスト対応力だ。オーダーメイドで門扉の制作を受けることもあるが、予算が限られている場合には、一定のパターンを制作し、随所に繰り返し使うことなどで、アート性を保ちながらコスト面の要求にも応えられるという。
 「芸術家としての経験があるため、美術品修復も手掛けてきた」と中村社長。公開空地に設置された造形物が老朽化し、倒壊の恐れがあるとして、同社には自治体による補修の依頼が頻繁にある。こうした経験を生かし、今後は設置後のアート作品の調査や、作家の意図を守ったメンテナンスも、継続して受注する体制を作っていく。

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