【"阪神間モダニズム"を継承】武庫川女子大学 上甲子園キャンパスで新校舎2棟が完成 | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【”阪神間モダニズム”を継承】武庫川女子大学 上甲子園キャンパスで新校舎2棟が完成

 武庫川学院が武庫川女子大学の上甲子園キャンパス(兵庫県西宮市)で建設を進めていた建築学部と大学院の新校舎2棟(東館と西館)が完成した。両館とも同キャンパス内で校舎として活用している甲子園会館(旧甲子園ホテル)の意匠を随所に取り入れ、「阪神間モダニズム」を継承した建物となっている。設計は同大学の建築・都市デザインスタジオ、施工は東館を大林組、西館を竹中工務店がそれぞれ担当した。

 新校舎は2020年4月に開設した建築学部景観建築学科と大学院建築学研究科景観建築学専攻の学生のための施設として利用する。

 東館の規模はRC一部S造2階建て延べ1087㎡。設計に当たり、岡崎甚幸建築学部学部長は「甲子園会館の文法の継承と形態の引用をテーマに取り組んだ」と言うように、同会館の意匠を至る所に取り入れている。外壁や内装の装飾タイルは学生が1年がかりで約7000枚を制作した。玄関口にはホテル時代に使われていた庇(ひさし)を再利用、露盤や照明器具、いすなどもホテルと同じ形態を模し、統一感を出している。

東館


 西館は、建築学科の校舎「建築スタジオ」と雑木林を挟んで向き合う形で、甲子園会館と調和したデザインとした。規模はRC造3階建て延べ2669㎡。

西館


 甲子園会館は、米国の建築家フランク・ロイド・ライトの弟子となる遠藤新が設計し、1930年に竣工した名建築。終戦後は米軍が使用し、その後大蔵省が管理していたが、65年に武庫川学院が施設を取得し、教育施設として使っていた。2006年に国内の女子大で初めてとなる建築学科の設置以降、同学科の学舎として活用している。



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