【日刊建設通信新聞社主催】第4回 BIM/CIM LIVE2020④ | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【日刊建設通信新聞社主催】第4回 BIM/CIM LIVE2020④

ダッソー・システムズ 技術部建設・都市・地域開発業界担当 和泉弘龍氏/自動化機能使いデータ再利用


 当社のBIM/CIMソリューションは、やみくもにソフトを導入するのではなく、名前のとおり現状の業務課題に対する解決策を適用することだ。建設業界向けに提供するソリューションは「シビル・インフラストラクチャ・エンジニアリング」と「インテグレーティッド・ビルド・エンバイラメント」がある。

 シビル・インフラストラクチャ・エンジニアリングは3Dに対し、「どう振る舞うか」といった情報を付与することで、繰り返しの作業やミスを防ぐことができる。具体的には「CATIA」のナレッジ機能を使った自動化によって、データを再利用する。付加価値の高い作業に集中できることやミスの少なさがメリットとなる。

 例えば、トンネルや橋梁の設計では、条件さえ決めてしまえば、与えられた情報に従って3次元図面や数量積算の情報が出来上がる。中国の京雄都市間鉄道の設計や旭龍水力発電所、北京冬季五輪の「氷と雪の五輪」プリンスシティ高架景観橋で使われているほか、日本でもパシフィックコンサルタンツや大林組でも導入事例がある。

 インテグレーティッド・ビルド・エンバイラメントは、関係者が同じプラットフォームで作業し、情報伝達の効率化や監理業務の質を向上することが目的となる。IFCなどによるプラットフォームへのデータ統合やプロジェクト管理、VR、レンダリングに使うことが、齟齬のないコミュニケーションや信頼性の高いプロジェクト管理などに有効だ。中国の牡丹江ジャムス鉄道旅客専用線や清水河経済特区南汀河ベイブリッジなどに使われている。

 2つのソリューションを例に挙げたが、データをコピーペーストし、業務を効率化することや関係者が同じプラットフォームに入り、意思疎通をスムーズにすることなど、目的に合ったBIM/CIMを導入することで、効率の良いプロセスが実現する。


フォーラムエイト/IM・VRのソリューション/執行役員システム営業マネージャ 松田克巳氏


 当社は1987年に設立し、土木設計支援パッケージソフトの販売からスタートした。21年前からIMとVRのソリューションを中心に展開している。

 2000年に初版をリリースしたソフトウェア「VR-Design Studio UC-win/Road」では、国土地理院の地形データの上に道路を定義し、生成してシミュレーションすることができる。このソフトをプラットフォームとして、設計計算ソフトや群衆解析結果などの各種データと連携できるほか、IFCやLandXMLなどBIM/CIMフォーマットを始め、各機関が提供するオープンデータも活用が可能となっている。

 各種シミュレータとの連携も充実させており、ドライブシミュレータで運転者の視点をチェックしてログを収集し、安全対策の効果を評価することもできる。

 そのほか、視線計測やオブジェクト検出、VISSIM(交通解析システム)のリアルタイム連携、3次元の施工の流れと工程をVR上で確認できる4Dシミュレーション拡張などが可能になる各種プラグインも取り揃えている。

 2月26日にリリースした新バージョンでは、BIM/CIMデータのインポート強化やレンダリング速度を向上させた。

 ほかには、国土交通省の「3次元モデル表記標準(案)」に基づく3Dアノテーション(3DA)に対応した設計ソフトウェア、土木構造物の3Dモデルをパラメータ入力で簡単に作成でき、IFC入出力機能、2次元図面の3Dモデル変換機能、設計ソフトとの連動機能も備えた「3Dパラメトリックツール」、新しくBIM/CIM照査機能を追加した、IFC対応国産3DCAD/CGソフト「Shade3D」をリリースしている。

 最近は国土交通省でインフラ分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進され、当社でも橋梁点検などでご活用いただけるインフラデジタルデータベースの構築に取り組んでいるほか、クラウドデータを閲覧するシステム「VR-NEXT(R)」の開発を進めている。




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