【世界国立公園ランキング上位へ】国立公園と国有林の保護・活用 環境省と林野庁が連携強化 | 建設通信新聞Digital

4月23日 火曜日

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【世界国立公園ランキング上位へ】国立公園と国有林の保護・活用 環境省と林野庁が連携強化

 小泉進次郎環境相と野上浩太郎農林水産相は、共同会見し、国立公園と、その面積の6割を占める国有林の連携強化に環境省と林野庁が合意したことを発表した。知床、日光、屋久島など、世界遺産クラスの大自然が残るエリアや誘客ポテンシャルがある地域を中心に、自然の保護と利用の両立に取り組む。世界国立公園ランキングの上位25位に日本の国立公園が入ることを目指す。

 知床、屋久島、西表石垣、日光、中部山岳の各国立公園を重点地域に設定し、▽保全(世界中を引き付ける、傑出した大自然を厳格に保護)▽利用(国立公園に入ったと実感でき、国有林の大自然が感動を与える体験機会を提供)▽管理(管理者の顔の見える充実した管理の実現)――の3つの視点に沿った取り組みを21年度から共同展開する。

 利用面の取り組みは、国立公園入域料の検討、4月23日に成立した改正自然公園法に基づく利用環境の整備、登山道の整備・維持管理、利用拠点の再生など。両省直轄施設で使用する電力の100%を再生可能エネルギーで賄う取り組みや、再エネ活用のサステナビリティー実現に向けた施策の検討なども進める。

 小泉環境相は、現場レベルで両省庁がこれまで連携していたものの、国立公園の管理や利用促進は環境省、国有林の土地所有者は林野庁と、担当省庁が分かれていたことを説明し、「縦割りを超えた連携に期待する」と述べた。利用面の取り組み実施に当たっては、林野庁から環境省への所管換えを含め、必要に応じて土地管理権限を調整する。

 両大臣は2020年10月に環境省と農林水産省の連携強化で合意しており、国立公園と国有林の連携が具体的な案件の第1号となる。



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