【インタビュー】千葉市長 神谷俊一氏に聞く まちづくりに対する考えと各エリアのこれから | 建設通信新聞Digital

4月24日 水曜日

公式ブログ

【インタビュー】千葉市長 神谷俊一氏に聞く まちづくりに対する考えと各エリアのこれから

 3月に初当選・就任した神谷俊一千葉市長。3期12年続いた熊谷俊人前市長(現千葉県知事)時代には経済農政局長や副市長を務め、熊谷市政の踏襲と発展を掲げる神谷市長に、まちづくりに対する考え、JR蘇我駅東口やJR稲毛駅東口のまちづくり、ZOZOマリンスタジアムの将来像を含む幕張新都心まちづくり将来構想の策定、企業立地施策、海浜病院に替わる新病院、新市民会館、加曽利貝塚新博物館の各整備など聞いた。

神谷俊一千葉市長


――まちづくりに対する考えは
 「千葉市は川崎や横浜と違い、東京のベッドタウンの要素は薄い。市内に勤務されている方が6割程度、東京に通われている方が2割程度で、地域の拠点都市として雇用を生み続けないといけない。周辺の街の雇用も支えているため、道路などの交通アクセスもしっかり整備しておかないといけない」
 「コロナ禍で働き方が変わり、東京に毎日通わなくても仕事ができるようになった。そのため東京から千葉市内に自宅を構えられる方が増えている。市は職住接近の都市機能と自然を兼ね備えた街で成長してきたが、その価値が改めて見直される状況になっている。都市機能と快適に憩える空間づくりを両輪で進める必要がある」

――エリアごとの取り組みは
 「街の顔をリニューアルする時期に来ている。千葉駅はグランドデザインに基づいて東口、西口それぞれ開発が進んでいる。新千葉2・3地区の再開発も先日、起工式を迎えた。西口のまちづくりも最終段階に来ており、市の役割をしっかり果たしていきたい」
 「(千葉駅近くにある)市民会館も建て替えの時期に来ている。新たな場所についてはJR千葉支社跡地も含めてどの場所がいちばんメリットがあるか検討しており、早めに結論を出して新市民会館の整備の準備をしていきたい」
 「蘇我駅と稲毛駅の東口は当初、想定していた街の成長よりも大きく成長して手狭になっている。朝のラッシュ時に多くの方が利用され、車の進入も不便をかけている。地権者のまちづくりに協力し、再開発が始まることに支援したい。稲毛駅近くのJT跡地も駅前の開発とあわせてまちづくりに重要な場所だ。公共空間の利用の仕方や規制緩和も必要であれば積極的に検討したい」

――マリンスタジアムの将来像は
 「潮風に吹かれて修繕が必要になっており、(JR海浜幕張)駅からも離れて使い勝手がよいとは言えない。この4年間で市民に納得感のあるかたちで将来像を具体化しなければいけない時期に来ている。底地を持つ県とうまく連携して将来像を詰めないといけないが、幕張新都心の現状を踏まえてどういう機能が必要か、行政がつくるのが前提ではなく民間資本の参画についても十分検討する必要がある。構想段階から参画したいと言う地元企業もあり、マリーンズやJFA(日本サッカー協会)とも連携してスタジアムのあり方、スペックを考えたい」

――企業立地施策は
 「市内で働く場をつくることが千葉市が地域の拠点として成長・発展する前提条件となり、製造業や流通関係が市内で事業展開する場所をある程度ストックを持っておきたい。高田IC近くの産業用地(ネクストコア千葉誉田)は市が支援し、完売した。他のIC周辺もまだまだ開発用地があると思っており、用地確保へ引き続き検討したい。市でやるよりも早くできるため、民間の実施(産業用地開発)を引き出す規制緩和や公共部分(道路など)の開発補助をしていく。今年度は各IC周辺の需要を調査する」

――新病院と加曽利貝塚新博物館の建設は
 「新病院はいま基本設計に入ったが、実施設計以降の手法はいま検討している。DB(設計施工一括)やECI(施工予定技術者事前協議)などさまざまな手法が出ており、どの方式が市民にとっていちばん良い病院をつくれるか考えたい」
 「加曽利貝塚新博物館は、どの機能をどこまで入れるか改めて検討している。学術的な研究機能と市にある特別な史跡というのを発信して見に来てもらう集客できる博物館にしていきたい」



建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら