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【インタビュー】多種同在の動的建築をつくり続けたい 関西建築家大賞の畠山文聡氏に聞く

最終更新 | 2018/02/02 16:18

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 日本建築家協会(JIA)近畿支部の第14回関西建築家大賞を受賞した畠山文聡氏。審査対象となった2作品ではいずれもセンシティビティー(感受性)に働きかける空間を巧みに取り入れ、審査建築家の槇文彦氏から「体験したことのない空間に感動した」と評価を受けた。追求するのは、空間が連鎖し、利用者に幸福や平穏を与える作品づくりだ。

 受賞に際し「これに満足することなく、気を引き締めてこれからもより良い作品をつくり、社会に貢献していきたい」と喜びを語る。「槇先生は大学建築やまちづくりを含めた建築プロジェクトの造詣が深く、尊敬する建築家。襟を正して臨んだ。講評では『こうした新しい空間体験を可能とした背後にある、さまざまな試みを通して最終的に目的とするデザインを獲得するまでの努力、そして当初より一貫して存在し続けたビジョンに対して深い敬意を払う』と評価していただいた。大変うれしく思っている」と話す。
 評価対象となったのは「NTT西日本研修センタ」(大阪市)と「近畿大学東大阪キャンパス整備計画」(大阪府東大阪市)。

緑が連鎖するNTT西日本研修センタの吹き抜け

 NTT西日本研修センタ(S造7階建て延べ1万6667㎡)は、5-7階の研修フロアに5カ所もの外部吹き抜けを市松模様状に配置。研修室は吹き抜けに挟まれ、室空間が自然環境に包まれる構成となっている。吹き抜け内部にはツタを植栽し、張り巡らしたワイヤーテンションをつたってジャングルのような空間となっている。
 「外部(自然環境)と内部(研修室)を2項対立的に扱うのではなく、フラットに並列することでフロア全体がおおらかさをまとう空間をつくった。リゾーム型の動的ネットワークを有するアーキタイプへの模索であり、研修効果の最大化と環境負荷低減を目指した」と言う。
 近畿大学東大阪キャンパス整備計画は新設の国際学部棟と事務室棟(1号館)や実学ホール(2号館)、教室(3号館)、カフェ・ラウンジ(4号館)、図書館・プロジェクト室(5号館)で構成するアカデミックシアターの計6棟からなる大型プロジェクト。

近畿大アカデミックシアター5号館内部から1号館を望む

 国際学部棟(RC造4階建て延べ3424㎡)では、吹き抜けを各階で平面的にずらして配置することで、4階建てでありながら、フロアが斜めに連鎖し、層を超えた空間の一体感を生みだしている。
 アカデミックシアターは、四方に配置した1-4号館に対し、中央の5号館が触媒の役割を果たす。5号館(S造2階建て延べ6034㎡)は、縦横4本の帯によってつくられている。格子状を少し歪ませることで、回廊のように先が見通しにくくなり、わくわく感をあおる仕組みだ。帯の交点に「図書空間」、図書と図書の間は「プロジェクト室(ACT)」、帯の隙間に「自然」を配することで、どこからでも「本」「プロジェクト」「自然」に包まれる刺激的空間となっている。
 「帯による構成と3つの空間要素が折り重なることで、偶発性と界隈性を有する都市的様相を空間化した。書籍の『知』と、ここで生成される『知』が自然発生的・同時多発的に交わる。多種多層な階層の人々や自然が時間と場所を超えてさまざまな物語を描く『洛中洛外図』のような、日本独自のプラットフォームを目指した」と振り返る。
 幼少期から高校時代まで過ごした共同住宅のリノベーションで、工事が進むごとに様相が変わっていくさまを体験した。居住者の心に多大な影響を与える壁や空間の力を知り、建築の世界を志すようになった。
 祖父の家もきっかけの1つ。「回廊式の日本建築で、歩くごとに景色・光が変わる。人が回廊のある場所に行くと、姿は見えないが息づかいはわかる。1視点場からのピクチャレスクな美しさではなく、回廊そのものが次の何かを示唆しながら、変動していく動的で刺激的な空間体験だった」。この経験がいまの作品づくりに大きく影響している。
 神戸大工学部建築学科に進んでからも、感受性にアプローチする空間づくりやアートに傾倒する一方、絵画的美しさだけを追求する建築とは距離を置いた。大学院修了後、NTTファシリティーズに入社。「前身の逓信省や電電公社の時代に活躍した建築家の公共に対する視座に引かれていた」という。
 30代前半で自身の建築論「エスキス的空間の実現」を構築し、数々のプロジェクトを統括。一貫しているのはシンボル的な作品ではなく、関係性を読み解き感受性を刺激するデザインを行っているということだ。この姿勢は、槇氏の「悦びは美以上に普遍的な価値を持つ。建築の姿よりも空間がそうした歓びを与えている機会が多いように思う」という審査講評コメントにも通じる。
 現在は近畿大で非常勤講師として教鞭もとる。「クリエイティビリティーとリアリティーの両立が肝心。これは建築をつくっていく上で最も重要なことで、何十年キャリアを重ねても変わらない」と後進に伝えている。
 今後は「いままでどおり、一軸ではなく、風土・文化・光・緑・生物・営み・風・気分・時間をフラットに描く多種同在の動的建築をつくっていきたい」

 はたけやま・ふみあき 1998年神戸大大学院修了後、NTTファシリティーズ入社。2012、13、15年にJIA優秀建築選、13年に日本建築学会作品選集、14年には中部建築賞を受賞。大阪府出身、43歳。

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