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【インタビュー】スタンダード無き復興支援に自ら駆けつける 「マザー・テレサ社会正義賞」受賞の坂茂氏

最終更新 | 2017/11/24 16:22

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坂 茂氏

 国内外の被災地や紛争地域での支援活動で世界的な評価を受ける建築家の坂茂氏に、また新たな栄誉が加わった。人類への類いまれな貢献をした個人や団体に贈られる「マザー・テレサ社会正義賞」を建築家として、日本人としても初めて受賞する。「まず現地に行って自分に何ができるか、何が必要とされているかを確認することが重要だ」と単身で飛び込む行動力は、「どんな状況であっても住環境を改善していくことは建築家の仕事」という強い使命感に裏打ちされている。平常時から災害に備えた自治体との災害協定の締結や、ケニアでの難民向け住居のデザインなど、新たな展開を含め、建築への思いを聞いた。

◆いかに現地の生活スタイル尊重するか
 「行ってみなければ分からない」。その行動はネットワークありきではない。世界的に知られる存在になってもなお震災などの被災地にボランタリーに駆けつける。ただし「国によって、あるいは同じ地域でも季節によって復興計画のプロセスは違う。本当にスタンダードはない」という。だからこそ「まず自分が行って調べることが大切」だと強調する。幾多の国・地域で復興支援に取り組む中で「いかに現地での生活スタイルを尊重するか」という視点は確固たるものとなっている。

ケニアの難民居住区を現地踏査する坂氏
写真提供:ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク

 今夏にはケニアのカロベイエイ難民居住区で最大2万戸の住居をデザインする契約をUN-HABITAT(国連人間居住計画)と結んだ。坂氏の活動の起点となった1994年からのルワンダ難民のシェルター開発が緊急避難的なものだったのに対して今回は「中長期的に住める難民の家を開発する」ことを目的としている。
 南スーダンからの難民は、居住区のあるケニアの街に住む人口3万人に比べて17万人に及ぶという。内戦が長期化する中で「4つの新しいプロトタイプ」を提案する。特に坂氏が着目しているのが「彼らが難民になる前に地元でつくっていた自分たちの家」だ。「どういう家をつくって住んでいたのか。それをリサーチし、もともとの技術を引き出して使えば、彼らを雇って家をつくることができる。彼らの収入にもなる上に、壊れたときには自分たちで直せる」とそのメリットを挙げ、「外から来た材料や技術ではなく、南スーダンの技術を使った新しいプロトタイプ」を目玉にしたいと意気込む。
 2004年の新潟中越地震を契機に、避難所で集団生活を余儀なくされる被災者のプライバシーを守るために開発した「紙の間仕切りシステム」も、その後の福岡県西方沖地震を経て改良を重ね、東日本大震災では50の避難所で1800ユニットが採用された。この取り組みでは「前例のないものは受け入れてくれない」という行政の壁に直面。平常時からの活動が重要だとして、代表理事を務めるNPO法人ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)で防災の日などに合わせて全国の自治体でデモンストレーションを積極的に展開した。

被災者のプライバシーを守る「紙の間仕切りシステム」

 その結果、15年1月の京都市を皮切りに、山形県や大分県、福岡県、そして東京都の世田谷、大田、葛飾、板橋、品川区など10の自治体と災害協定を締結。特に大分県との協定は16年4月の熊本地震での迅速な対応につながっている。

◆たどり着いた独自の構造材は「紙と木」
 「時代に流されない建築をつくりたい。そのためにはバックミンスター・フラーやフライ・オットーのようにいつか自分独自の構造システムや材料を開発したい」という学生時代からの思いは「紙管」に出会うことで開花。「材料の強度と建築の強さ、耐久性とは関係がない。その材料をどう設計するかの問題であり、弱い材料である紙管でも十分に強い耐久性のある建築をつくれる」と革新的な構造デザインをつくり出してきた。
 「弱い材料、万能ではない材料の弱さや難しさをうまく逆手に取ることで独自の建築ができる」という坂氏がいま、紙管とともに「唯一リニューアルできる再生可能な構造材」として注力するのが「木」だ。他方、木造建築が「世界的な一大ムーブメント」になっている中で「日本は規制が必要以上に厳しすぎる。ヨーロッパで造れるものが日本では造れない。このままでは木造のガラパゴス化となって発展できない」と強い懸念を示す。
 「耐震や防火の技術もどんどん発展している。規制緩和すれば木造でできる建築はもっと増えるはずだ」とし、「環境問題は今世紀最大のテーマ。われわれ設計する側もそういう意識を持つことが重要であり、材料をいい意味で発展させていく責任がある」と見据える。

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