【オンライン特別講演】内藤廣氏と青柳群馬建協会長が語る 現在に生きる"早稲田建築" | 建設通信新聞Digital

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【オンライン特別講演】内藤廣氏と青柳群馬建協会長が語る 現在に生きる”早稲田建築”

 早稲田大学の建築関係学科の卒業生らで組織する稲門建築会(亀井忠夫会長)は5月28日、建築家の内藤廣氏、全国建設業協同組合連合会会長・群馬県建設業協会会長の青柳剛氏の特別講演を東京都新宿区の早稲田大学からオンラインで配信した。春の大会の一環で、総会に引き続き開催した。コロナ禍で2020年から延期になっていた。

 2人は早大建築学科の同期で、はじめにそれぞれが学生時代のことや自身のこれまでの活動などを振り返り、その後、古谷誠章早大教授の司会で「早稲田建築の果たすべき役割」をテーマに対談に移った。

 内藤氏は、大学時代はほとんどロックアウトだったことや建築家として仕事をができるのか不透明で、自分よりデザインで能力のある人が何人もいたことなどから、建築家の道からスピンアウトしたと話す。「卒業設計は『生きることと死ぬこと』がテーマで、建築になっていなかった。ただ、振り返ってみれば、(恩師の)吉阪(隆正)先生から教わった人への接し方、時の流れの中で建築を考えることがこの卒業設計につながっているように思う。東北の復興、渋谷の都市再生の仕事にも通じるものがある」と述べた。さらに若い人の建築が似てきているとし、異なった視点を提供できないかとも指摘した。

 青柳氏について古谷氏は、「卒業設計がまず都市の細かいアンケートから入って、真ん中あたりのページにやっと1000分の1の図が出てくる緻密なものだった」と内藤氏と対照的な点を紹介した。

 青柳氏は、群馬県沼田市からリーダーが選ばれたことがこれまであまりなかったことから、あえて「はじっこ」というキーワードでさまざまな事象を捉える。「はじっこ感覚から課題が見えてくる。(いまの仕事は)形は違っても人を動かす、感動するという表現レベルで考えれば、早稲田建築で学んだ表現をすることにつながる」。この「はじっこ感覚」と「建築感覚」で地域建設業界のさまざまなシステム改革を展開していることが高く評価されている。中央とも連携し、現在も地方から発信し続けている。



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