日本建築学会の機関誌『建築雑誌』6月号で、5月末に就任した田辺新一会長が「ウイズ・アフターコロナ時代における建築界の新しい発展を目指して」と題して、所信を述べている。
田辺会長は、学会デビューとなる1982年の大会で発表したとき非常に緊張したと振り返る。その後は、環境工学委員会を中心に活動してきた。
新型コロナによる影響として、大会やシンポジウムなどが開けず議論の場がなくなることは学会にとって大きな打撃と指摘する。ただ、悪影響ばかりではなく、ウェブでの開催は東京中心だった活動に地方からの参加も活発化したメリットを認める。
コロナ禍での新たな発展のための取り組みは、①ウィズ・アフターコロナ時代の新たなプラットフォーム構築②複合災害に対する備え、2050年脱炭素社会実現への貢献③学術・技術・芸術分野の国内外発信力向上④学会活動のデジタル・トランスフォーメーションの推進――の4項目を挙げる。
対面する機会の減少は今後も続くため、会長・副会長から月に1回程度、活動状況などのメッセージを発信したい考えだ。