【aacaシンポ】北関東の中核都市・宇都宮を地域文化再生モデルに 次の街づくりへのメソッドとは? | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【aacaシンポ】北関東の中核都市・宇都宮を地域文化再生モデルに 次の街づくりへのメソッドとは?

 日本建築美術工芸協会(aaca、岡本賢会長)の調査研究委員会は、東京都千代田区の糖業協会ホールでaaca30周年記念事業として「地域に根差した文化芸術活動-北関東の中核都市宇都宮 次の街づくりへのメソッドは」と題した記念講演会を開催。地域文化再生のモデルとして、宇都宮の歴史や文化・美術を読み解いた。
 宇都宮在住の建築家・藤原宏史氏は、「宇都宮、マニアックな魅力の発掘と楽しみ方」と題して、古くから“関東の都”と呼ばれてきた宇都宮の伝統や個性などを拾い上げた。大谷寺洞窟遺跡や根古谷台遺跡などの前史、約1600年前に創建されたとされる宇都宮二荒山神社(宇都宮大明神)などの歴史的施設、百人一首や駅弁、大相撲初代横綱の明石志賀之介など多様な文化とスポーツのルーツを紹介した。
 また、建築史家の中川武博物館明治村館長が、「都市・建築・工芸、関係の変容-全体から部分、部分から全体へ」と題して、愛知県犬山市の明治村園内にあるフランク・ロイド・ライトが設計した『帝国ホテル中央玄関』を紹介。栃木産の大谷石を使い、近代性を持つ装飾について、「美術としても豊かなものを生み出した。建築が部分から全体に向かったものを、再び部分から全体に目を向けさせた」とその意義を強調した。
 アートの視点からまちづくりに取り組んでいる彫刻家の小野寺優元氏は、「art impact-アートが地域を創る」をテーマに、場所特有の情報を解読し、自らの感性に基づいて表現する“サイトスペシフィック・アート”の取り組みや大谷石の特色などを説明。「住み続けたい地域となるためには、まず行ってみたい人が増えることが大事だ」とし、2020年に開催する大谷・国際野外展への意気込みを語った。

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