国際航業は、衛星SAR(合成開口レーダー)変位解析技術を利用し、5月22日夜に発生したコンゴ民主共和国東部にあるニーラゴンゴ火山の大規模噴火に伴う山体変動を検出した。火口から約10㎞の街ゴマを中心に非常に大きな変動があったことを確認している。
ニーラゴンゴ山は、1975年と2002年にも大規模な噴火が観測されている活発な火山で、アフリカ大陸東部を南北に貫くアフリカ大地溝帯に位置する。今回は欧州宇宙機関が運用するSAR衛星「Sentinel-1衛星」が噴火前後に観測したSARデータを利用して、噴火に伴う広域の地殻変動を把握するため干渉SAR解析を行い、地殻変動量を検出した。衛星が南から北へ移動するときに観測する北行軌道と、北から南へ移動する南行軌道の2つの軌道の解析結果から2.5次元解析を実施することで、鉛直方向の変位と東西方向の変位をそれぞれ算出。その結果からゴマの街を境にして東西へ離れていく動きと隆起する変動、中央では沈下する動きが観測されている。
幅35-100㎞、総延長7000㎞におよぶアフリカ大地溝帯は、アフリカプレートが分裂し、新しいプレート境界が発生しているとも考えられており、地球上で最も活動的な場所で起こるダイナミックな現象が地球環境にどう影響を与えるのか、近年世界から注目されている。