【土工の地位向上で第1回検定】コンクリ打込み・締固め工 日本躯体 | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【土工の地位向上で第1回検定】コンクリ打込み・締固め工 日本躯体

1級は30人、2級は27人が受検


 「土工」の地位向上・処遇改善に一歩前進–。日本建設躯体工事業団体連合会(大木勇雄会長)は、「コンクリートの打ち込み・締固め工」が厚生労働省の社内検定制度に3月に認定されたことから、第1回検定を10、11日に千葉県市川市の向井建設「技士の館」で行った。1級は30人、2級は27人が受検。8月10日に合格者を公表する。また受検希望者が殺到したため、今秋に第2回検定を実施するとともに、2022年度からは全国展開する方針で、22年度は中国地区で行う。

 検定の受検資格は1級が経験年数8年以上、2級は3年以上。ともに知識の有無を判断する学科試験と、バイブレーターの操作技術などを確認する実技試験を実施する。

 コンクリート打設工の社会的・経済的地位向上を目的に、技能資格の制定を目指し、取り組みを始めて6年を経てようやく実現した。コンクリートの品質確保に重要な役割を担うが、これまで技能資格がないため技能として認められず、普通作業員、極端な場合は軽作業員、雑工扱いされ、賃金水準も低く、若年入職者は他職種に比べ極端に少なく、専門工事職種の中で最も高齢化している職種といわれていた。

 さらに技能資格制度がないため、登録基幹技能者となるステップもなく、建設キャリアアップシステムに登録しても経験や知識を評価されなかった。また、外国人技能実習生も技能制度がないため、企業側は「土工」として受け入れられなかった。社内検定制度の実現は、こうした多くの課題の解決に光が差したといえる。

 また、制度創設には日本建設業連合会や元請各社の支援も大きかった。日建連は委員の派遣など人的支援を行っているほか、今後、広報支援するという。検定の実施には費用もかかることからゼネコンも助成金を出している。大木会長は「コンクリートの品質に関わる重要な資格であり、資格をPRするとともに、発注者や元請けに資格者の優遇を要請して、専門性、特殊性の高いコンクリート打設作業を担う建設技能者の社会的・経済的地位の向上を図っていきたい」と話す。
 日本躯体では30年度までに1級で500-600人、2級で1000-1200人の有資格者誕生を目指す。


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