【記者座談会】ユーチューブなどで魅力伝える/現場見学会で人材確保 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【記者座談会】ユーチューブなどで魅力伝える/現場見学会で人材確保

 建設業界では、官民ともにさまざまな形で業界の魅力、保有技術などの情報を発信しているけど、その1つとして、ユーチューブを活用した配信が積極的に行われている。

 関東地方整備局が今年度からの新たな取り組みで、2020年度優良工事等局長表彰の受賞者リストと局長あいさつを配信し、広く周知している。最近では、飛島建設がSX(サステナブルトランスフォーメーション)・DX(デジタルトランスフォーメーション)経営戦略の一環で、目指す企業像をPRするプロモーションビデオを公開した。東急建設は、人気ユーチューバーの菅生健人さんの番組『こっちのけんと』とコラボし、土木の魅力を伝えるシリーズ「菅生健人の土木を知る!」を制作し、建設業のイメージアップ企画や専門工事会社へのインタビュー企画などを配信している。

 団体の取り組みも活発だ。日本技術士会の青年技術士支援委員会では、「技術士のための動画配信・Youtube活用講座」をオンラインで開いた。効果的な情報発信手法への理解が深まり、好評だったようだ。

 配信ということでは、昨年はコロナ禍もあって会場での安全大会の開催が難しかったが、ことしは参加者を絞って会場で開き、同時に配信もしている。これにより、コロナ禍でも多くの人に安全の取り組みに対する呼び掛けをすることができる。

 ユーチューブを始め積極的な情報発信によって、より一層一般の人々に建設業を知ってもらうこと、興味を持ってもらえるようなことにつながればうれしい。今後、より良い情報発信に向けて、場合によっては動画制作などに関するクリエーティブ力を持った人材の確保も必要になってくるかもしれないね。

“未知の世界”の扉開ける見学会



現場見学会は、各社の保有技術などを直接見ることができ、建設を学ぶ者にとって大きなプラスとなる




 学校が夏休みに入っているけど、夏休みというと現場見学会がよく開かれていたというイメージがある。しかし、コロナ禍では難しいかな。

 一部では、安全対策、感染対策、暑さ対策をそれぞれしっかりと講じて、学生などを対象に見学会を開いている。建設関係を学んでいる学生にとっては、“百聞は一見にしかず”ではないけれど、実際に現場を間近で見ることはとても良い勉強、経験になると思うよ。

 以前、小学生の現場見学会を取材した際、子どもたちの現場を見る輝いた目や建設重機を間近で見た時の歓声は、いまでも印象に残っている。建設現場は仮囲いもあってあまり中を見ることができず、子どもたちにとっては“未知の世界”だね。

 DXが進み、タブレットを使った作業状況などは、大人、子どもにかかわらず、とても興味を引くと思うよ。モバイル端末、スマートグラス、ドローン、ロボット、3Dプリンター、さらに今後開発されるさまざまな技術の活用などによって、子どものころに見学した現場と、成長して大人になってから見学した現場の状況が大きく変わっていることもあるかもしれないね。

 当面これまでのような開催は難しいかもしれないけれど、現場見学会は、「建設現場」という、身近にありながら、なかなか見ること、触れることのできない“未知の世界”の扉を開けることになり、子どもたちだけでなく、大人にとっても“ワクワクドキドキ”の楽しい経験になるはずだ。この経験をもとに、建設現場や建設業界のファンになってもらい、将来、建設業界を目指してくれる子どもたちが増えてくれることに期待したい。



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