【木造人工衛星打上げ】23年に木材を宇宙曝露実験 住友林業と京大 | 建設通信新聞Digital

5月7日 火曜日

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【木造人工衛星打上げ】23年に木材を宇宙曝露実験 住友林業と京大

曝露実験に使用する
12種類の木材

 住友林業と京都大学は、「国際宇宙ステーション(ISS)での木材の宇宙曝露実験」を始める。宇宙空間で木材曝露実験は世界初となる。宇宙のような極限環境で木材劣化の有無や劣化状況、メカニズムを解析することで、宇宙空間で木材の劣化予測や対策を検討するとともに高機能な木材の開発につなげ、地球で木材の用途拡大への応用を目指す。

 9月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)に数種類の木材試験体を引き渡し、12月から約6カ月間、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟の船外曝露プラットフォーム上で宇宙空間に曝露する。試験体の回収後は、地上で物性試験や顕微鏡を使っての組織構造観察、X線による結晶構造解析を行う。

 京大と2020年4月から始め、23年に木造人工衛星(LignoSat)を打ち上げる計画「宇宙木材プロジェクト(LignoStella Project)」の一環で実施する。木造の人工衛星は、アンテナや姿勢制御装置を衛星内部に設置して構造を簡素化できるほか、運用終了後の大気圏突入時に完全に燃え尽きるため、微小物質が発生せず、環境に優しい人工衛星の開発につながる。そのためには宇宙環境で木材がどのように劣化していくのかを確認する必要がある。

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