【双腕多機能ロボをOAフロアに初導入】職人と協働で分担施工 清水建設 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【双腕多機能ロボをOAフロアに初導入】職人と協働で分担施工 清水建設

 清水建設は、新大阪駅前で施工を進める「新大阪第5ドイビル建設工事」(発注者=ドイ不動産)をフィールドにOAフロアのロボット施工をスタートさせた。独自に開発した双腕多機能ロボット「Robo-Buddy」を導入。テーマである職人とのコラボレーションによって順調に施工を進めているという。OAフロアの施工ロボットは大手ゼネコンでも初めて。

稼働中の「Robo-Buddy」




 このロボットは、4輪駆動の作業台車と台車から伸び出た2本のロボットアームで構成する。2本のロボットアームがOAフロアの床パネルを支える支持脚の据え付けと床パネルの敷設をそれぞれ行う。材料供給ロボットとセットで稼働させることで自律的に作業と移動を繰り返す。

 職人の手作業によるOAフロアの施工は、重量のある床パネルの敷設を中腰で繰り返す苦渋作業となることから、天井など内装の施工を担ういわゆる多能工ロボット「Robo―Buddy」にOAフロアの施工機能を付加。苦渋作業を代替することで、職人の負担を軽減していく。

 適用に必要な準備は、支持脚の高さ調整に必要なレーザー発振器のセットとコンクリート床に支持脚の位置を示す墨出し、ロボットへの作動指示のみ。タブレット端末からクラウドを介してBIM(設計)データの床平面図を参照。施工エリアを選択してスタートボタンを押すだけで、ロボット施工が開始される。

 作動指示を受信したロボットは、SLAM(自己位置推定技術)によって自動的に移動する。アーム先端のカメラで支持脚の位置を示す墨を認識すると、材料供給ロボットから支持脚を取り出して、コンクリート床上に据え付けてはレーザーのレベルに合わせて高さを調整していく。

 もう一方のアームも同様に先端のカメラで床パネルの敷設位置を確認。材料供給ロボットから床パネルを受け取って支持脚の上に敷設していく流れ。その施工スピードや精度の高さ(床パネルのレベル差±1mm)は十分に“職人の域”に達しているという。

 新大阪第5ドイビルでのロボット施工は2フロアに限定されるが、ロボット技術の開発方針として「ロボットと職人のコラボレーション」をテーマとしているように基準階の約700㎡のうち、中央部の350㎡をロボット施工、手間の要する外周部350㎡の施工を職人が担う。その省人化率は約70%となる見込み。」



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