【古民家再生ホテル】埼玉・秩父に来春オープン 西武プロパティーズら | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【古民家再生ホテル】埼玉・秩父に来春オープン 西武プロパティーズら

改修後のイメージ(左:小池煙草店・宮谷家、右:マル十薬局)


 西武プロパティーズ、秩父地域おもてなし観光公社(埼玉県秩父市)、NOTE(兵庫県丹波篠山市)、三井住友ファイナンス&リースによる共同出資会社「秩父まちづくり」(秩父市)は、秩父エリアの歴史的建造物や古民家を再生し、宿泊・飲食施設として活用する地域活性化事業を展開する。

 初弾プロジェクトとして、西武秩父駅周辺エリアに点在する昭和初期建築の「小池煙草店(登録有形文化財)」とそれに併設する「宮谷家」、明治元(1868)年から昭和初期に建築された「マル十薬局」を改修する。

 3棟で1つの「分散型ホテル」を計画している。ホテル機能や客室を点在させることで、滞在客の地域内回遊を生み出すのが狙いだ。薬局にはホテルフロントとレストラン、客室5室を設け、ほかの2物件には客室3室と飲食店をそれぞれ配置する。秩父の新たな観光拠点として2022年春のオープンを目指す。

 秩父市は、空き家の増加や人口流出による山間集落の過疎化などが地域課題となっている。秩父まちづくり会社は、豊かな自然資源や特徴的な歴史文化を持つ秩父全域を対象にエリア計画を策定し、歴史的建造物の利活用を通じて秩父の魅力を発信する。さらに、これからの時代に向けた新しい観光の態勢構築による地域活力の創出、移住のきっかけづくりや関係人口の増加を志向している。

 事業展開に当たっては、西武プロパティーズが事業全体の支援や西武グループとの連携、情報発信、観光公社が施設運営や地域との調整、NOTEが古民家を核としたエリア計画策定や開発支援、三井住友ファイナンス&リースがファイナンスのアレンジメントなどを担う。埼玉りそな銀行、三井住友銀行、飯能信用金庫とも協力する。

 第1期事業以降は、里山エリアや奥山エリアも視野に入れた事業展開を予定している。山との結びつきが強い秩父独自の歴史や文化に触れ、より深く楽しめる観光まちづくりを推進する。

 連携協力する秩父市は「今回の古民家再生事業は、秩父の顔にふさわしい街並み景観づくりにアクセントを与えるものと期待している」などとコメントしている。


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