【広島デジフラ構想】AI活用の実験が本格化!広島県がDX推進へ | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【広島デジフラ構想】AI活用の実験が本格化!広島県がDX推進へ

 広島県は、3月に策定した「広島デジフラ構想」に掲げる具体な取組案(40項目)のうち、9月末時点での主な取り組みの進捗状況をまとめた。洪水予測や地形改変個所の抽出、法面崩落予測など、AI(人工知能)を活用した技術の実験をスタートさせているほか、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進のための県・市町連携調整会議のデータ連携幹事会設置や業界団体との意見交換会など、官民共同体制を構築する取り組みを進めている。

 県では、建設分野の調査、設計、建設、維持管理のあらゆる段階でデジタル技術を最大限に活用して官民連携のもとインフラをより効果的・効率的にマネジメントするため、同構想を策定して建設DX施策に取り組んでいる。取組期間は2021年度から25年度までの5年間。21年度予算には、インフラマネジメント基盤構築事業とデジタル技術の実装やデータ活用のための経費として4億1200万円を計上した。

 今回は40項目の取組案のうち、9月末までに進んでいる16項目を報告している。今後も毎年度フォローアップすることにしており、21年度中に内容の見直しや新たな取り組みの追加を行う方針だ。

 16項目の概要は次のとおり。
 ▽洪水予測などの水害リスク情報の高度化=水位観測カメラシステムの構築に向けAI判別による画像解析技術の実験▽AIなどを活用した地形改変個所等の抽出=AIによる土砂災害警戒区域等の見直しに係る地形改変個所抽出▽法面の崩落予測技術の構築=法面画像データからのAI解析、3D道路法面台帳を活用した崩落の前兆を把握する技術の実験▽路面管理の効率化と路面陥没等を予測する技術の構築=ドライブレコーダー画像等をAI解析し路面性状の把握、路面陥没を把握する実験▽道路付属物へのセンサー設置等による変状把握=道路照明に設置したセンサーのデータのAI解析、車載カメラ画像のAI診断による照明の異常を検知する実験。

 ▽建設分野におけるDX推進のための官民共同体制の構築=業界団体との意見交換会開始、県・市町連携調整会議のデータ連携幹事会設置、データ連携市町を選定するニーズ調査▽個人ごとに異なる災害リスク情報のリアルタイム発信=基準の全面改訂によるリスク情報の精度向上、洪水リスクマップ公表▽画像情報の充実・強化=新たに河川監視カメラ62台設置することによるリスク情報の見える化、道路交通量調査のための調査用カメラ約250台設置▽除雪作業における支援技術の構築=3D図面を用いた除雪作業中の道路上障害物への接近を警告する技術の実験。

 ▽IoT(モノのインターネット)やドローン等を活用した獣害防止対策の構築=びんご運動公園で実施した実証実験のうち、獣害被害軽減効果の高い技術を採用、検証エリアを拡大し実証内容のさらなる改善の実験開始▽土砂災害警戒区域等の3Dマップ化=3Dマップの運用開始▽インフラマネジメント基盤(DoboX=ドボックス)の構築・運用拡大=インフラ情報の一元化・オープン化▽受注者間の協議・臨場等の高度化・効率化=現場の遠隔臨場試行開始▽公共事業の調達事務の電子化=入札手続きがオンラインで完結する電子入札システム改修▽主要構造物のCIM完全実施=県内10カ所で実施中▽土工構造物におけるICT活用工事の完全実施=県内9カ所で実施中。

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