【木造マンションの初弾完成】耐久性は75-90年 三井ホーム | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【木造マンションの初弾完成】耐久性は75-90年 三井ホーム

完成した木造マンションの外観


 三井ホームが東京都稲城市に建設していた木造マンションシリーズの初弾となる「MOCXION(モクシオン)稲城」が完成した。5階建ての建物の2ー5階部分に木造を採用した、枠組壁工法による日本最大級の木造マンションとなる。

 住宅性能評価で75ー90年持つとの評価を得ており、RC造と同等の減価償却を可能にした。11月の完成後に開いた外部事業者向けの見学会にはディベロッパーや金融機関など2000人を超える申し込みがあり、既に複数件の木造マンション計画を受注済みという。

内装も木質化した


 木造マンションの建設は、「脱炭素社会を目指す上で建築物の木造化が有効」(依田明史施設事業本部事業推進室事業推進グループ長)との判断のもと進めてきた。国内最高レベルの壁倍率30超の高強度耐力壁を独自開発したほか、RC造と同等クラスの高性能遮音床システムを採用した。

 5階天井には、国内では利用実績の少ないNLT(釘接合集成板)を実験的に使用した。CLT(直交集成板)のように専用工場を持つ必要がないため、メリットとして同社のパネル工場を活用できる。初弾案件は実験的な位置付けで採用しており、つくり方や運び方、性能を検証する見通し。

 入居予定者からも好評だ。近隣より高水準の家賃設定にもかかわらず、既に9割を超える申し込みがあった。見学者を対象としたアンケートでは、▽木造マンションに興味▽木造マンションが脱炭素に貢献しているーーの2つの設問項目に多くの回答が集まった。同社は「環境意識の高い、新たな価値観を持った人たちが来ている」とみている。

 設計施工は同社、デザインアーキテクトはアーキヴィジョン広谷スタジオ(東京都新宿区)が担当した。


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